今週、千葉県柏市で新型コロナに感染した妊婦が入院できずに自宅で出産し、その後、赤ちゃんが死亡した問題。こうした悲劇を防ぐにはどうしたらいいのか、“日本一”赤ちゃんが産まれると言われている熊本の病院で、多くの妊婦と向き合う医師に聞きました。
福田病院産婦人科 新堀曜子医師
「自宅での医師や助産師の介入しない孤立出産に対しては、健康な母子でも異常が起こる可能性が高くなる。絶対に避けなければいけない」
こう話すのは、熊本県にある福田病院・産婦人科の新堀曜子医師です。福田病院では、コロナ禍に見舞われた去年でも、およそ3500人の赤ちゃんが産まれていて、分娩数は“日本一”と言われています。
皆川玲奈キャスター
「千葉県で起きた新生児死亡のような事例は全国的に起こり得る?」
福田病院産婦人科 新堀曜子医師
「感染した妊婦さんが自宅待機を余儀なくされた場合は、こういう事例が増えてくるかもしれない」
皆川玲奈キャスター
「一番の問題は入院できないということ?」
福田病院産婦人科 新堀曜子医師
「やはり妊娠されている患者に対しては重症化リスクがある。何か症状が出た時に、すぐ受け入れができる体制がとられると、こういう事故は減ってくると思う」
こうした体制を作るために、都道府県を越えた周産期医療の枠組みも必要だと指摘します。
福田病院産婦人科 新堀曜子医師
「国としても体制をとって頂きたい。県内で賄えない妊婦に対しては、県を越えてでも治療をして欲しい」
また、「都道府県の中で周産期医療の体制を見直すことも必要だ」とする声もあります。
日本産科婦人科学会 木村 正理事長
「周産期医療を受け持っている病院が必ずしも感染症に強い病院かというと、そうではない。都道府県単位でそれぞれの体制を見直すことが急務だと思う」
現場での対応が限界に近づくなか、再発防止に向けて国が方針を示すことが求められています。