2021年5月、Path Roboticsは5600万ドル(約61億6000万円)のシリーズBを発表した。これは、ロボティクス関連のラウンドとしてはかなりの額だ。しかし、オハイオ州コロンバスを拠点とするこのスタートアップは、それからわずか2カ月半後に「プリエンプティブ」なシリーズCラウンドを発表した。
そして、これは大規模なものだ。Tiger Global(タイガー・グローバル)が主導し、既存の投資家であるSilicon Valley Bank(シリコンバレーバンク)も参加して、同社は1億ドル(約110億円)を調達した。この取引により、ロボット溶接企業である同社の資金調達総額は1億7100万ドル(約188億円)に達した。
Pathは、自社技術への関心を高める主な要因として、長年にわたる熟練した溶接工の不足を挙げている。この問題は、世界的なパンデミックの前にさかのぼる(ただし、他の多くの労働問題と同様に、パンデミックはおそらくこの問題をさらに悪化させた)。また、米国溶接協会の調査によると、2024年までに米国だけで約40万人の溶接労働力が不足するという。
これまでの情報を見ると、同社はすでに溶接以外の分野にも目を向けているようだ。建設業は巨大なビジネスであり、適切なロボティクス企業にとっては大きなチャンスだ。もちろん、1億ドル(約110億円)の資金注入は成長計画の邪魔にはならない。
CEOのAndrew Lonsberry(アンドリュー・ロンズベリー)氏は声明の中でこう述べている。「ほとんどのロボットは言われたことを繰り返すだけで、自分で改善する能力がありません。製造業の未来は、高機能でフレキシブルなロボットにかかっています。真に見て、学ぶことができるロボットです」。
具体的にどのような計画を立てているのかは明らかにされていないが、同社のイメージングとAIの上にそれらを構築し、おそらく建設ロボットのカテゴリーでモジュール式のエコシステムを構築する予定だ。
Tiger GlobalのパートナーであるGriffin Schroeder(グリフィン・シュローダー)氏は、声明の中でそうした計画を示唆している。「Pathのコンピュータビジョンに対する革新的なアプローチと独自のAIソフトウェアにより、ロボットはそれぞれのユニークな溶接プロジェクトの課題を感知し、理解し、適応することができます。この画期的な技術は、溶接だけでなく他の多くのアプリケーションや製品にも採用され、顧客に総合的なサービスを提供できると信じています」。
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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Path Robotics、資金調達
画像クレジット:Path Robotics
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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)