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アリス・リローデッド (2) ヘヴィ・ウェイト (電撃文庫)アリス・リローデッド (2) ヘヴィ・ウェイト (電撃文庫) [文庫]
著者:茜屋まつり
出版:アスキー・メディアワークス
(2013-05-10)

一度、感覚で読むことに集中できてしまえれば、凄く読みやすい。物語の構成が綺麗なので、そこで躓くことはないですし、流れが綺麗だからこそ、振り仮名が活きてきて新鮮に頭に映る。読んでいというようりは観ているといったところだろうか。

ミスターの一人称がそうさせているところも多いけれど、全てが映像として鮮明になるわけではなく、ミスターの視線に映ったものが読み手にも見えるので、ストレスがない。案内役であり読者の気持ちを代弁してくれるミスターは心地よい存在ですね。

ですから、ミスターたちの台詞回しは引き続いての作品の魅力でしょう。

ただ、序盤の難解さというのはあるのかもしれない。頭を空っぽにしてエンターテインメントを楽しめた一巻とは違ってシリーズでの刊行ですので、それを見越した伏線や登場人物が、コミカルな冒険だけでは終わらない重さのあるものに仕上がっている。――それこそタイトルにもあるように、見えない重さがある。もっとも、副題の意味は作中で語られるところではあるのだが。

アリスが主役ではありますが、ロッキーの話というところも、物語を複雑にしていたのかもしれない。時系列を把握するだとかが含まれる本作では、これからの伏線も説明しながら、ロッキーの過去とメリーを清算しなければいけなかったので、構成は上手いのに意外とかつかつで詰まっている印象を受けるのです。けれど、逃げていないのは素晴らしいなと。しっかりエンターテインメントをぶち込んで楽しませる辺りは、著者の心意気を感じました。

何にしても、続きは気になりますし、他のチャームガンやらエンブレムド・バレットもまだまだ楽しませてくれそう。アホのアリスがどこまで成長できるか、期待してます。

おすすめ度:★★★★

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