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ネタ見せのチャンスはまったくないんだけど、お風呂でモノマネを練習している。今完成度を高めているのは、ユニークな流れで知られる夢グループCMの完コピだ。

 

モノマネとシャドーイング

完全に無駄な行いだと思い込んでいたのだが、実はそうとも言い切れないみたいなのだ。つい最近、大手英会話学校で講師をしているバイリンガルの友人と英語の上達法について話をした。彼女が言うには、モノマネに徹することが一番早いらしい。これをシャドーイングという。

 

シャドーイングとは、聞こえてきた音のあとを追ってすぐにそれを言うという勉強法だ。プロの通訳を養成する学校でも取り入れられているメソッドで、発音の向上だけではなく、リスニングの力も上がる。それに、イントネーションやリズムが英語寄りになり、英語圏で暮らしている人たちにとって聞こえやすくなる。耳から入ってきた音に、自分が発する音を重ねていくというイメージだ。これを続けていくうちに、英語が聞きやすく、言葉として出やすい状態が生まれるという。

 

ならば筆者には、シャドーイングに最適な姿勢が整っていることになるじゃないか。

 

キレのいいフレーズを発信したい

シャドーイングに使ったフレーズをごく普通の音量で、独り言で発してみるのも効果があるらしい。実際に口に出して言うことが大切だ。脳と口の周りの筋肉が連動して、とっさのひとことが出やすい状態になる。

 

シャドーイングから派生する独り言学習法としてお勧めしたい本がある。独り言フレーズにおいては最高のネタ本といえるだろう。『朝から夜までひとりごと英会話~留学なしで圧倒的に伸びる!』(SAKURA English school著・刊)は、日常生活に欠かせない言い回しをシーン別にまとめた一冊だ。

 

英語の勉強法にもさまざまあるが、文法や読解力向上が主流派である中、独り言という方法を媒体としたこの本のメソッドは珍しい。例文はどれも短く、独り言として次々とキレよく繰り出せる期待大。

 

TOEICスコアと“会話力”

オンライン英会話の講師をしている本書の著者サクラさんの出発点は、以下のような感じだった。

 

留学経験は2回で、最初の留学先はサンフランシスコでした。2年ほど、国内のカルチャーセンターでグループレッスンを続けて、その時のTOEICスコアは750点。日本にいれば、「英語できるんだね」と言われそうなスコアではありました。でも実際サンフランシスコについてみると、全く話せないのです!

『朝から夜まで英語ひとりごと』から引用

 

2020年度のTOEIC Listening & Reading Testの日本の平均スコアは531点となっているので、700点以上なら「英語ができる」レベルと考えていいだろう。TOEICは英語コミュニケーション能力を評価するものなので、スコアと「できる度」の体感は正比例するはずだ。なのに、サクラさんは全く話せないことを自覚した。留学している理由さえ怪しく感じている自分を正しい方向にもっていくために考え出したのが、独り言を英語でつぶやくことだった。

 

独り言学習のメリット

サクラさんが挙げる英語で独り言のメリットはいくつかある。

 

*英語に慣れることができる

*苦手な発音が理解できる

*文法を自分のものにできる

 

大事なことがふたつある。文法を気にしないことと、文章が短いことを気にせずにどんどん言ってみることだ。ごく単純に仕組みを説明するなら、こういうことになる。

 

「thank you(サンキュー)」を頭の中で英語にしてから話しているわけではないですよね?「thank you(サンキュー)」はもうしっかりと定着しているから、すぐに口から飛び出すのです。それが「独り言」トレーニングの狙いです。

『朝から夜まで英語ひとりごと』から引用

 

極端な言い方に聞こえるけど、これは当たっている。筆者の友人は「日本人は、“比較的長め”の文章をよどみなく発することに意識が行き過ぎていると思う」と言っていた。TOEICのスコアと会話力の乖離の原因は、このあたりにあるのかもしれない。

 

=さあ、今日から始めましょう=

*It’ s hard to get my engine started again after holidays

休み明けはエンジンがかからないよ

*The line at the convenience store is so long at lunchtime.

昼時のコンビニはすごい行列だ

*A good first impression is everything.

とにかく第一印象が大切

『朝から夜まで英語ひとりごと』から引用

 

どれをとっても、英語・日本語の差なく、ごく普通の日常会話に出てくるフレーズだ。こういうごく当たり前の表現を数多くストックしていくことで、「thank you」と同じレベルで使いこなせるようになるのだろう。ちなみに、例文の音声データはYouTubeとPodcast、そしてSpotifyからも落とせる。

 

いつでもどこでもできる独り言学習メソッド。もちろん、お風呂の中でもできますよ。

 

【書籍紹介】

朝から夜までひとりごと英会話~留学なしで圧倒的に伸びる!

著者:SAKURA English school
刊行:SAKURA English school

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