第49回衆院選(31日投開票)で、共同通信社は19、20両日、茨城県内有権者約3800人を対象に電話調査を実施した。県内7小選挙区のうち、全選挙区に前職(比例復活を含む)を擁する自民党は2、4区で安定した戦いを展開、3区でも先行し、3選挙区で優勢となっている。残りの選挙区では、自民候補と野党系候補が5、6区で激しい競り合い、1、7区で横一線の争いとなっている。ただ、投票先をまだ決めていない有権者が3割近くに上り、情勢は終盤にかけて変化する可能性がある。
1区は、無所属元職の福島伸享氏と自民前職の田所嘉徳氏が横一線の争い。無党派層の半数超が態度を明らかにしておらず、自民支持層の2割超が態度を決めていない。選挙区内のほぼ半数の有権者を抱える大票田・水戸市域での戦いが勝敗の鍵を握る。
2区は、自民前職の額賀福志郎氏が優勢となっている。立民元職の藤田幸久氏が追い掛ける展開。額賀氏は鹿行地域を中心に、県央地域も含め全域で安定している。藤田氏は立民、共産支持層に支持を広げる。浮動票の取り込みが今後の焦点だ。
3区は、自民前職の葉梨康弘氏が先行、立民新人の梶岡博樹氏が追走する。葉梨氏は自民、公明支持層をまとめている。梶岡氏は立民、共産など野党支持層を取り込む。維新新人の岸野智康氏は苦しい戦い。無党派層の半数超が態度を決めていない。
4区は、前経済産業相の自民前職、梶山弘志氏が大きくリードする。県北山間地域を含めた選挙区全域にくまなく浸透し、安定した戦いを展開している。共産新人の大内久美子氏、維新新人の武藤優子は後を追うが、厳しい情勢となっている。
5区は、国民前職の浅野哲氏と自民前職の石川昭政氏が接戦を繰り広げている。浅野氏は国民のほか立民、公明支持層に支持を広げ、石川氏は自民支持層を手堅くまとめる。共産新人の飯田美弥子氏は苦戦し、無所属新人の田村弘氏は独自の戦い。
6区は、自民前職の国光文乃氏、立民前職の青山大人氏が激しく競り合う。国光氏は自民、公明支持層を押さえ、青山氏は立民、共産支持層に支持を広げる。つくばエクスプレス沿線など国光氏がやや優位だが、無党派層の半数が態度を決めていない。
7区は、立民入りして初の総選挙に臨む前職の中村喜四郎氏と、自民前職の永岡桂子氏がほぼ横一線の展開。中村氏は立民、共産支持層を獲得している。永岡氏は自民に加え、公明支持層から厚い支持を集めている。維新新人の水梨伸晃氏は苦しい戦い。