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 新型コロナのオミクロン株が世界で猛威を奮いつつある。保健医療インフラがぜい弱な発展途上国では、なおさら迅速な対応の必要性が指摘される。11月30日のバングラデシュの英字紙デイリースターは、社説でこれを採り上げた。

バングラデシュでは、オミクロン株の流入への警戒が強まっている (c) Tarikul Raana / Unsplash

一刻も早い入国禁止を

 「新たな新型コロナの変異株であるオミクロン株が世界中で広がり、いくつもの国々が感染防止のために入国禁止の措置をとっている。我々も、オミクロン株が国内に流入しないよう、対応策に遅れをとってはならない」。社説は、オミクロン株について強い警戒感を示す。
 社説によると、バングラデシュの新型コロナ専門家委員会は、オミクロン株の感染が確認された国からの入国禁止を実施するように助言をしているという。さらに専門家委員会は、これらの国を過去14日間に経由した入国者には、必ず14日間の強制隔離を実施するように助言している。また、特に教育機関でマスク着用を徹底する重要性を強調した。
 「我々がオミクロン株の感染拡大を防ぐことができるか否かは、これらの助言を関係当局、さらに言えば国民みんなが受け入れ、実施するかどうかにかかっている。我々の知る限り、航空当局は空港で警戒を強めてはいるものの、いまだ入国制限を発表していない」と、社説は指摘する。

「ロックダウンするしかない」

 オミクロン株について、社説は「ほんの数カ月前、バングラデシュを含む世界に打撃を与えたデルタ株よりずっと感染力が強いと言われている。どれぐらい危険かはまだ判明していないが、デルタ株の2倍にあたる32カ所もの変異が起きている」と報じ、このオミクロン株にワクチンが効くのかどうか、世界の関心が集まっている、と指摘する。
 「我々のように保健医療システムがぜい弱な国の場合、すぐに入国禁止措置を取ることが重要だ。ひとたび感染力の強い変異株が広がれば、増え続ける感染者に適切な治療ができないためだ。さらに、これまでもマスク着用や集会の制限などの予防ガイドラインが十分に守られていなかったことを考えれば、もし、オミクロン株が国内に流入した際、どのような状況になるか容易に想像できる」
 その上で社説は、オミクロン株が流入して感染が再拡大すれば、またロックダウンを余儀なくされ、経済と社会に深刻な打撃を与えるだろう、との見方を示す。
 「だからこそ、政府は一刻も早く、オミクロン株による感染が確認された国からの入国を禁止し、空港での検疫強化と強制隔離を実施し、医療保健機関での受け入れ準備を進めると同時に、感染予防策を徹底しなければならない」
 今回のオミクロン株については、これまでの経験を生かし、新株の全容が明らかにならないうちから、日本を含む多くの国が、まず「入国禁止」に踏み切った。個人の権利が制限されることについて、人々に一定の理解が共有されたこともあるだろう。いずれにせよ、同じことを繰り返すほど愚かなことはない。大きな犠牲を払いながら新型コロナという未曽有の危機を一つずつ乗り越えてきた私たちは、先進国であれ、途上国であれ、「どんなことをしても」、後戻りしてはならないのだ。

 

(原文https://www.thedailystar.net/views/editorial/news/prevent-omicron-entering-the-country-all-costs-2905826)

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