Razer，独自イベント「RazerCon 2021」でゲーマー向けマスク「Zephyr」や新型ヘッドセット，液冷クーラーなどを発表

　北米時間2021年10月21日，Razerは，独自のオンラインイベント「RazerCon 2021」を開催し，ゲーマー向けマスク「Razer Zephyr」（以下，Zephyr）の発売や新型ヘッドセットなど，さまざまな新製品を発表した。
　本稿では，イベントで発表となった情報を簡単に紹介しよう。

Razer Zephyr

　まずはZephyrから見ていこう。
　Zephyrは，内蔵する小型ファンで半透明の樹脂製マスク内に空気を取り込んで，顎の部分にある排気孔から排出する「アクティブ換気」機能を備えたマスクだ。左右の頬部分にあるスピーカーのような吸気孔の外側と内側には，「Razer Chroma」対応のカラーLEDイルミネーションが組み込まれており，派手に光らせられるのが見どころとなっている。

　なお，Zephyrが開発コードネーム「Project Hazel」として発表されたときは，マスクにマイクとスピーカーを内蔵して，マスク着用時はくぐもって聞こえがちな話者の声を明瞭な音声として出力する機能を備えていたが，製品版のZephyrでは採用されなかった。重量の増加やバッテリー駆動時間が短くなることを嫌ったのだろうか。

　Zephyrの吸気孔と排気孔には，不織布による使い捨てフィルターをはめ込んで使う仕組みだ。1セットのフィルターは3日間程度の使用が可能で，10セット分（＝30日分）の交換用フィルター「N95 Grade Filter Pack」も別売りで用意されている。

スピーカーのような蓋を開けて，使い捨てフィルターをはめ込んで使う仕組みだ

　気になる価格だが，Zephyr本体は99.99ドル（約1万1400円），Zephyr本体に33セット（＝99日分）の交換用フィルターを同梱した「Razer Zephyr Starter Pack」が149.99ドル（約1万7100円），N95 Grade Filter Packは29.99ドル（約3400円）となっている。
　国内販売の予定は明らかになっていないが，Razer製品の通例どおりなら，国内での展開も期待できそうだ。

Zephyrと関連製品のラインナップ

Razer Kraken V3シリーズ

　イベントでは，新型ヘッドセット「Razer Kraken V3」シリーズも発表となった。世界市場では同日に受注を開始している。

　ラインナップは，以下の3製品である。

• Razer Kraken V3（以下，Kraken V3）：USB接続ワイヤード，99.99ドル（約1万1400円）
• Razer Kraken V3 HyperSense（以下，Kraken V3 HyperSense）：USB接続ワイヤード，Razer HyperSense対応，129.99ドル（約1万4800円）
• Razer Kraken V3 Pro（以下，Kraken V3 Pro）：USB接続およびアナログ接続ワイヤード，Razer HyperSense対応，199.99ドル（約2万2800円）

　なお，Kraken V3シリーズには，2021年4月に発売となった「Razer Kraken V3 X」（以下，Kraken V3 X）という製品もある。ただ，Kraken V3 Xは，スピーカードライバーとして「Razer TriForce 40mm Driver」を採用しているが，今回発表の3製品は，ややサイズの大きい「Razer TriForce Titanium 50mm Driver」を採用するのが大きな違いだ。

　今回発表の3製品のうち，Kraken V3 HyperSenseとKraken V3 Proは，Razer独自の触覚フィードバック技術「Razer HyperSense」（以下，HyperSense）を搭載するのが大きな特徴である。HyperSenseは，内蔵する振動デバイスを入力音声に合わせて振動させることで，より深い没入感を得られるという技術だ。
　既存の製品では，ヘッドセットの「Razer Nari Ultimate」が採用するだけだったHyperSenseだが，今回で2製品が対応ラインナップに追加されたわけだ。

　Kraken V3シリーズはほかにも，Razer傘下のTHXが開発したオブジェクトベースオーディオ技術「THX Spatial Audio」に対応して，バーチャルサラウンドサウンド再生が可能な点も特徴である。

Chroma対応の簡易液冷クーラーや電源ユニットも発売

　RazerCon 2021では，Razer初の自作PC向けパーツ類として，簡易液冷クーラーや空冷ファン，ファンコントローラ，さらにATX電源ユニットも発表となった。ファンコントローラ以外の3製品は，Razer Chroma対応のカラーLEDイルミネーションを備えるのが特徴である。ラインナップは以下のとおり。

• Razer Hanbo Chroma：簡易液冷クーラー，ラジエータサイズが360mmと240mmの2種類を用意。直販ストアおよび北米，欧州，中国およびアジア太平洋地域で発売
• Razer Kunai Chroma：空冷ファン，140mm径と120mm径の2種類を用意。直販ストアおよび北米，欧州，中国およびアジア太平洋地域で発売
• Razer PWM PC Fan Controller：ファンコントローラ。直販ストアで発売
• Razer Katana：80PLUS Titanium対応でフルモジュラー式のATX電源ユニット，750/850/1000/1200/1600Wの5種類を用意。2022年第1四半期に北米，欧州，中国およびアジア太平洋地域で発売

　これまでも，他社製のイルミネーション付きPCパーツをRazer Chromaと連携させることはできたが，Razer純正のPCパーツで揃えられるようになったわけだ。