国連総会 バイデン大統領「新たな冷戦求めていない」中国念頭に
アメリカのバイデン大統領が就任後初めて国連総会で演説し、中国を念頭に「新たな冷戦は求めていない」などと強調しました。
アメリカの外交方針を世界に向けて示す国連総会の場で、バイデン大統領は「20年にわたる戦争の時代を終え、外交によって複雑な問題に取り組む時代が始まった」と指摘。同盟国や国際機関との連携を重視し、新型コロナや気候変動問題に一致して取り組むとともに、5Gなどの新技術や貿易ルールについても、公正な競争のために目を光らせる考えを示しました。
その上で、「世界の繁栄のために行動するならば、全く意見があわない分野がある国とも、ともに行動する用意がある」と述べ、こう強調しました。
アメリカ バイデン大統領
「我々は新しい冷戦を求めていない。硬直した世界の対立は求めていないのです」
バイデン政権としては、唯一の競争相手と位置づける中国に対し、衝突に結びつく振る舞いをやめさせ、同時に世界の課題について責任ある行動をとるよう圧力をかけた形です。
この他、イランの核合意復帰や朝鮮半島の非核化に向けて引き続き取り組む考えを表明しましたが、アフガニスタンに関する言及はわずかで、米軍撤退に伴う混乱から目をそらせたいとの思惑も透けてみえました。