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 大阪市此花区の私立認可保育園が、新型コロナウイルスに感染した保育士に対し、保健所の調査に出勤していたことを隠すよう指示していたことがわかった。園では保健所による濃厚接触者の調査が行われず、その後複数の園児らの感染が判明した。市などが経緯を調べている。

 市や園の説明によると、保育士は8月23日朝から午後4時まで園で勤務し、帰宅後に発熱。翌24日にコロナの感染が判明した。

 ところが、報告を受けた園長らは、保育士に23日は出勤していなかったことにするよう指示。保健所は、感染者の発症2日前以降の行動を基に濃厚接触者を調べるが、保育士が土日で休みだった21、22日を含めて出勤していないと居住先の保健所に説明したため、園は調査の対象外となった。

 園では、27日に別の保育士の感染が判明。同日から9月1日まで臨時休園したが、その後園児2人の感染も判明した。それぞれの感染経路は不明という。

 園関係者から指摘があり、園長が10日、保育士に虚偽申告させたことを市に報告し、問題が発覚した。

 厚生労働省は、保育園で感染者が出た場合、濃厚接触者が特定されるまで臨時休園するよう求めている。

 園長は読売新聞の取材に「休園は保護者への影響が大きく、避けたかった。反省している」と話した。

 改正感染症法には、保健所の調査に虚偽の説明をする行為に罰則規定がある。