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 イギリスの捜査当局は、3年前にロシア人の元スパイが神経剤「ノビチョク」で狙われた事件に関連して、3人目のロシア人容疑者の逮捕状を取りました。

 この事件は2018年3月、イギリス・ソールズベリーで、ロシア人の元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘が自宅のドアノブに塗られた神経剤「ノビチョク」で昏睡状態に陥ったものです。

 イギリス対テロ捜査当局は既にロシア軍の情報機関GRUの工作員だとする2人を実行犯と断定して国際指名手配していますが、21日、新たにGRU工作員、「セルゲイ・フェドトフ」ことデニス・セフギーフ容疑者について殺人未遂などの容疑で逮捕状を取りました。

 発表によりますと、セフギーフ容疑者は実行犯2人の4時間ほど前に別の空港からロンドンに入り、スクリパリ氏らが倒れているのが発見された日にイギリスを出国していますが、この間に実行犯2人と複数回会っていたということです。

 イギリス当局はICPO=国際刑事警察機構に対して国際指名手配の手続きを開始しましたが、ロシアは自国民の引き渡しには応じないため、ロシア国外に出た際に身柄の拘束を目指すとしています。

 セフギーフ容疑者については、2年前にネット上の情報から様々な事件を調査するグループ「ベリングキャット」が「3人目の男」として特定。さらに2015年にブルガリアで起きた武器商人の毒殺未遂事件についても関与を指摘していました。