福岡地裁で審理されていた窃盗事件の裁判をめぐり、勾留中の被告のもとに起訴状が届かず、公訴棄却になったことが捜査関係者への取材でわかりました。警察のミスが原因で、被告は釈放されています。
問題が発覚したのは、今年7月に福岡県警が窃盗などの疑いで30代の男性を逮捕した事件です。捜査関係者によりますと、男性は勾留されたまま福岡地裁で事件が審理されていましたが、裁判所が送った起訴状の謄本が警察のミスで男性のもとに届いていないことが今月になってわかったということです。
刑事訴訟法は、被告に対して起訴された日から2か月以内に起訴状が送達されなければ、起訴は効力を失うと定めています。このため、事件は公訴棄却となり、男性は釈放されました。起訴状の送達ミスによる公訴棄却で被告が釈放されたケースは、全国で初めてとみられています。