イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの実権を握って1週間。現地では混乱が続いています。
担架を手に急ぐ兵士。負傷者を抱え、手当をする様子も。カブールの空港には連日、出国を望む人々が殺到していますが、21日にはタリバンの戦闘員によるものと見られる発砲音をきっかけに大混乱となり、少なくとも7人が押しつぶされるなどして死亡したと伝えられています。さらに、在アフガンアメリカ大使館は、政府から指示がない限り空港に近づかないよう自国民に勧告を出しました。安全上の脅威が発生する可能性があるためとしています。
この1週間でアメリカ軍が退避させたのはおよそ1万7000人。このうちアメリカ国民は2500人ほどで、残っていたとされる人数の2割にも達しておらず、全員の退避には時間がかかりそうです。
こうしたなか、ノルウェーの民間情報機関はタリバンがアメリカへの協力者やガニ政権の情報機関職員らについていわゆる“ブラックリスト”を作っているとする報告書をまとめました。ロイター通信が報じたもので、本人や家族の拘束の準備のためですでにガニ政権の対テロ専門部門に所属していた職員が連行されたということです。
トランプ前大統領
「これは撤退ではない。完全な降伏だ」
一連の混乱を受け、トランプ前大統領は「外交史上最大の恥だ」とバイデン大統領の対応を改めて非難しました。一方、反タリバン派の軍がアフガン北部にある3つの地区を占領したと主張するなど、反対勢力の動きも一部で続いています。