西村康稔経済財政・再生相は22日のNHK番組で、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた人流抑制策を強化する可能性に言及した。「昨年春や4~5月の大型連休前後にとった強い措置も選択肢の一つとして考えなくてはいけない」と述べた。
西村氏は全国知事会からは宣言に準じる「まん延防止等重点措置」を全国一律に適用する提案があったと明らかにした。「そうしたことを踏まえながら何ができるのか検討したい」と語った。
「今ある法律の中で何ができるかさらに工夫していきたい」とも表明した。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も同番組で「夏休みが終わって活動が活発になる」と説明した。「もう少し強い対策を打たないと大変なことになる」と強調した。40~64歳の年齢層の人流が増えているとも訴えた。
昨年春の緊急事態宣言では幅広い業種に休業要請を出した。4~5月の大型連休前後も百貨店に休業を要請した。
医療提供体制にも触れた。西村氏は自治体と臨時の医療施設の設置に向けた検討を急ぐ考えを示した。「体育館など広い場所を使って、多くの患者に酸素投与できるような施設を作る」と話した。
自宅療養者向けの酸素濃縮器の確保や宿泊療養施設での酸素ボンベの活用も進める。
尾身氏は「一般医療には頑張ってもらっているが、コロナには関わっていない人もいる。そういう人にできる限りの範囲でやっていただきたい」と提起した。国や自治体から要請するよう求めた。自宅療養者が急増しており、宿泊施設での療養に取り組むようにも主張した。
尾身氏は医療提供体制の確保に向けた臨時医療施設の開設についても「議論するだけでなく(開設の)プロセスを始めてもらいたい」と促した。
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