もっと詳しく

企業や団体にエンゲージメントのためのコミュニティサイトを提供するCountable(カウンタブル)が、シリーズAラウンドで1200万ドル(約13億7000万円)を調達した。同社のサービスは、企業がブランドの価値観や問題に対するスタンスを示しながら、顧客とよりエンゲージメントしやすくするものだ。

今回のラウンドは、既存投資家でのCanaan Partners(カナン・パートナーズ)が主導し、Ulysses Management(ユリシーズ・マネージメント)とGlobal Catalyst Partners(グローバル・キャタリスト・パートナーズ)が参加した。CountableのCEOであるBart Myers(バート・マイヤーズ)氏は、2014年の設立以来、同社は総額1600万ドル(約18億2000万円)を調達したと、TechCrunchに語った。

実際に、サンフランシスコを拠点とする同社は、ソリューションベースのジャーナリズムからスタートし、業績の推進を求めるコミュニティや人々を中心にコンテンツを提供してきた。2017年にCountableが方向転換した際には、Canaan Partnersがシードラウンドで出資し、同社の企業向けSaaS企業への移行を支援した。

「ソーシャルメディアでは多くのことが急速に変化しています。それはある意味で有害な存在となり、ユーザーの安全性やセキュリティに対する信頼性が低下しています。そして企業ブランドが自分の言葉で顧客と関わるために必要なコントロールが奪われつつあります」と、マイヤーズ氏はいう。「かつては、無料で口コミを広げたり、多くの閲覧を得ることができましたが、今や何をするにも有料です。これでは有機的に人々にリーチすることはできません」。

Countableは、ソーシャルメディアの良い面を規範とし、より本物のコミュニケーションを育み、ビジネスや社会の成果を促進するテクノロジーを構築している。マイヤーズ氏は「Shopify(ショッピファイ)がショッピングカートでやったようなことを、私たちはコミュニティ・エンゲージメントでやっている」と考えている。

その方法は次のようなものだ。まず、同社は顧客である企業と協力してサイトの外観を確立し、目標、タイムライン、フィードバックプロセスなどを設定する。サイトの立ち上げ後、企業は従業員、消費者、パートナーのオーディエンスを管理することができる。また、このサイトでは「いいね!」ボタンに留まらず、1億9千万人以上の人々が参加するCountableの「Causes(コーズィーズ)」ネットワークを活用して、アクションアイテムを促進することができる。

Countableはコミュニティがどのように成長しているかという分析結果や、収益、リテンション、イノベーションを促進するためのインサイトを顧客企業に提供する。コミュニティ側では、メンバーは企業ブランドとの関わりを持ち、さらには推薦ビデオを記録したり、Causesのイベントに参加することなどができる。

Countableは、Starbucks(スターバックス)、Uber(ウーバー)、Patagonia(パタゴニア)、Levi’s(リーバイス)、PG&Eなどのブランドのために、120件以上の「実装」を行ってきた。これらの企業で、Countableは従業員のエンゲージメントに利用されている。マイヤーズ氏によると、PG&Eでは、緊急事態に備えるためのヒントやリソースを、住宅所有者や企業に提供するためにこのサイトを使用しているという。

「私たちはブランドに、エンゲージメントを促進し、効果を測定するための大きな力を与えています」と、マイヤーズ氏は続ける。「ブランドは、フィードバックを求めたり、視聴者にコンテンツを友人と共有するように促したり、展開に向けたインセンティブに結びつけたりすることができます」。

過去1年間で、同社の収益は約300%増加し、年間経常収益は277%増加、顧客獲得数とサイト利用数は2倍以上になった。

このような成長に対応して事業を拡大していくために、マイヤーズ氏は今回調達した資金を、製品開発、市場開拓、国際的な事業拡大、サードパーティとの統合に投入する予定だ。また、コミュニティ・ソーシャルトークン交換のためのローンチパッドとなるサービスも提供していく。

「企業ブランドは、ますます顧客との対話を求めるようになっています。それは多く行うほど、あらゆる場所で実を結ぶことになります」と、マイヤーズ氏は語る。「独自のコミュニティを持てば、インセンティブ化の面で扉を開き、価値を測る手段となり、この体験にもっと投資する方法を顧客に提供することができます」。

画像クレジット:Jane Kelly / Getty Images

原文へ

(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)