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イランで先月就任した、反米・保守強硬派のライシ大統領は国連総会で演説し、核合意の立て直しに向けた協議の再開について「すべての抑圧的な制裁の解除につながる協議こそが有益だ」と述べ、アメリカに対して全面的な制裁解除を求めました。

イランのライシ大統領は初めての参加となる国連総会で21日、事前に収録されたビデオを通じて演説しました。

このなかでライシ大統領は、核合意を離脱したアメリカがイランへの制裁を再開したことについて「新たな戦争の手段だ」と述べて重ねて非難しました。

一方、アメリカのバイデン大統領は同じ21日に行った国連総会の演説で「イランが核合意を順守するならわれわれはこれを厳格に守る用意がある」と述べ、核合意の立て直しに前向きな姿勢を示しました。

ただ、合意の立て直しに向けたアメリカとイランの間接協議はことし6月以降、中断していて、これについてライシ大統領はビデオ演説の中で「すべての抑圧的な制裁の解除という結果につながる協議こそが有益だと考えている」と述べ、アメリカに対して全面的な制裁解除を求めました。

アメリカはこれまで全面的な制裁の解除には応じない立場を示していて、双方が妥協点をみいだすのは容易ではない情勢です。