10月17日、大阪府京橋駅の広場でミャンマーの民主化を支援するための募金活動が行われた。ミャンマーの民主化を支援する関西学生ネットワークの大学生と、日本ビルマ救援センター(BRCJ)が共同で主催し、中学生や高校生らも含め、約20人が駅前を行きかう人々に向かってミャンマーへの支援を呼びかけた。
横断幕を掲げて呼びかけ
当日、活動に参加した高校生の1人は、「自分たちが努力することによってミャンマーのために力になりたい」と、素直な思いを伝えた。彼らは通りがかる人々に向かい、ミャンマーでクーデターを起こした軍によって多くの市民が殺されている窮状を訴えながら、頭を下げて募金を呼びかけていた。両手で募金箱を抱え、横断幕を掲げながら心を込めて説明していた。
立命館大学の大学院で学ぶ坂井夕莉さん(23) は、「ミャンマーでは自分たちと同じ年代の若者が勉強できずに苦労をしていることに胸が痛む」と述べた。さらに坂井さんは、現地で軍に対して民主化勢力が宣戦布告し、内戦が激化していることについて「市民は非暴力での抗議活動を続けていたが、期待していた国際社会からの支援が得られなかったため、軍と戦わざるを得なかった」と指摘。「ミャンマーの人々を戦闘状態に追い込んだのは、国際社会の責任だ」と続けた。
20年前から人道支援を継続
BRCJ 代表で、この日の募金活動の企画者の一人である中尾恵子さん(63)は、今年2月にミャンマーでクーデターが起きた直後から、軍に抵抗して不服従活動に参加した公務員らのために街頭に立って募金を呼び掛けており、この日は通算11回目の活動だった。
中尾さんは、20年前からBRCJの活動を通じてミャンマーの難民が日本に亡命できるように証言をまとめたり、ミャンマーで拷問されて日本に逃げた人たちを弁護士と会わせたりするなど、人道支援を続けてきた。これまでに何度も軍政下で人権侵害を受けた人々と会い、話を聞いた経験のある中尾さんは、クーデターを認めず、抵抗を続けるミャンマー人たちの気持ちが十分に理解できるとした上で、「再び軍事政権に戻ることはあり得ない。だからこそ、民主化のために現地で頑張っている人たちを日本から応援したい 」と、熱く語った。
2月以降、日本でも、ミャンマー人が多く集まっている東京や大阪などを中心に、抗議デモやビラの配布、募金活動が活発に行われている。この活動のように、日本人の中学生や高校生が中心となって街頭に立つ姿はまだ珍しいものの、最近は日本の若者もミャンマー情勢に関心を持ち、募金活動やビラ配りに参加することが増えつつある。
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