FacebookのPortalシリーズは、スマートスクリーンの世界では常にちょっと変わり者という存在だった。Facebookがこの分野に最も顕著に貢献していることと言えばほぼ間違いなく、AIを使って被写体を追跡し、それに応じてパンやズームをしてフレーム内にとらえ続けるスマートカメラだ。大手で初めて市場にこの賢い機能を提供し、GoogleやAmazon、そしてAppleまでも同様の機能にそれぞれ取り組んでいる。
Portalの(NestやEchoと比べた場合の)もう1つの大きな訴求点は、MessengerやWhatsAppといったFacebookのソフトウェアとの統合だ。こうした利点はあるが、コネクテッドホームのハードウェアとスマートアシスタントの世界で、Portalシリーズは出足の良かったAmazonやGoogleとの差別化に苦戦してきた。
米国時間9月21日にバッテリーで動くスマートスクリーンのPortal Goが発表され、興味深い観点が加わった。10インチのデバイスで、背面に持ち手があって手に取りやすい。バッテリー駆動時間は標準的な使い方で5時間、画面をオフにして音楽を再生する場合は最長14時間となっている(現時点ではバッテリー節約用のモードはない)。
ラインナップに追加されるモデルとしては巧みなものだ。タブレットの領域に近づいてきているが、筆者はNest Homeを別の部屋に持っていきたいという衝動に何度も駆られている。使い方は人それぞれ異なるだろう。
実物はまだ見ていないが、デザインを詳しく検討してみよう。丸みを帯びていて黒いベゼルはやや太い。ここ数年のスマートホーム製品でよく見られるように背面は布張りになっている。全体はくさびのような形状で、前面に2つのスピーカー、背面にウーファーが1つがある。
前面には超広角の12メガピクセルカメラがあり、前述したようなスマートなパンができる。プライバシー保護のために物理的なレンズカバーがある。画面の傾きは見やすく調整できる。現時点では複数のスピーカーをセットアップするFar-Fieldテクノロジーには対応していない。対応するとなると、家の中で持ち運ぶ際のセットアップが複雑になりそうだ。
Portal+の新バージョンも発表された。カメラはPortal Goと同様で、傾きを調整できる14インチ薄型ディスプレイにはZoom使用時に最大25人を同時に表示できる。Portal Goは199ドル(約2万1800円)、新しいPortal+は349ドル(約3万8200円)だ。両方とも米国ではすでに予約が始まっており、10月19日から出荷される。
さらにFaceboookは、スマートスクリーンをビデオ会議用製品に位置づけるPortal for Businessも発表した。リリースでは以下のように説明されている。
Portal for Businessを利用すると、中小企業は従業員用のFacebook Workアカウントを作成し、管理できます。これは企業が自社のメールアドレスを使ってPortalをセットアップできる、新しいアカウントタイプです。2022年にはこのWorkアカウントで、Portal以外にも人気のあるFacebookの業務用製品にアクセスできるようになります。
Portal Device Mangerを使うと、IT部門が従業員のマシンをセットアップし、リモートで消去できる。このシステムは現在、クローズドベータとして提供されている。
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画像クレジット:Facebook
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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)