インドのハイパーローカルソーシャルメディアプラットフォーム「Lokal(ローカル)」が、中国のインターネットコングロマリット「Tencent(テンセント)」が主導する新たな資金調達ラウンドで1200万ドル(約13億6800万円)を調達したことが、この件に詳しい関係者を通して明らかになった。
ベンガルールを拠点とするこのスタートアップ企業のシリーズAには、既存の投資家である3one4 Capital(3one4キャピタル)、Y Combinator(Yコンビネーター)、India Quotient(インディア・クオシェント)も参加しているとのことだが、関係者はこの件が非公開であることから匿名を希望している。
TencentとLokalは、コメントの要請に応じていない。
推計によると、現在オンラインに接続している非英語圏のインド人は4億人以上いると言われている。彼らにとって、インターネットで提供されるサービスは非常に限られたものであり、そのようなユーザー向けに構築されたサービスはあまり存在しない。
Lokalは、このようなユーザーにリーチし、幅広いサービスを提供しようとしている。その名を冠したハイパーローカルソーシャルメディアアプリは、英語を話さないユーザーがお互いにつながり、交流することを可能にする。
また、このアプリは、ユーザーが近くの仕事を見つける手助けをしたり、商品価格や不動産価格、地元の新聞に掲載されているような婚活広告などの最新情報を提供したりもする。また、スキルアップのためのサービスも提供している。
同社のウェブサイトによると、ダウンロード数は1000万を超え、南インドの複数の州で人気を博しているという。
インド企業が中国の投資家から資金を調達する際に、インド政府の承認を得ることを義務付ける規則をニューデリーが導入してから1年半以上が経過した中で、今回の投資が行われた。この動きは、中国企業のインドへの投資ペースを著しく低下させていた。しかし、ここ数カ月の間に、いくつかの企業がTencentから資金を調達している。
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TechCrunchは8月、インドのPocket FM(ポケットエフエム)がTencentなどからの資金調達に向けて交渉を進めていると報じた。2016年以降、インドのスタートアップに20億ドル(約2280億円)以上を投資している中国の巨人は、2021年初めにもインドのソーシャルメディアプラットフォームShareChat(シェアチャット)に2億ドル(約228億円)以上を投資したが、同スタートアップは発表時にTencentの関与を明らかにしなかった。
インドの音楽ストリーミングサービスのGaana(ガーナ)にもさらに資金を投入した同社は、最近のインド企業への投資を、当事者間の承認の時間稼ぎと、将来的に負債を株式投資に転換する選択肢を得るために、転換社債として行っている。
画像クレジット:Getty Images
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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)