沙霧尚哉が起こしたクーデターもついに決着。いよいよ第十二話を迎えるTVアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』。今回は白銀 武、鑑 純夏、御剣冥夜以外、第207B分隊から榊 千鶴役伊藤美来さん、彩峰 慧役の佐伯伊織さん、珠瀬壬姫役の田中貴子さん、鎧衣美琴役のLynnさんの4人に集まっていただき、これまでのTVアニメとアフレコを前後編にわたって振り返ってもらった。
【前編】のテーマは、キャラクターのことを中心に、役作りについてや好きなキャラクターについて!
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物語も始まったばかり!まだまだ続きが演じたいキャスト陣の願い
――これまでの収録を終えた今の率直な気持ちを教えてください。
伊藤美来さん(以下、伊藤):切りがいいところまでは来ましたけど、原作のほうはこれからたくさんの展開があるので、やり切った気持ちはありつつも、まだまだ演じたい気持ちが残っている状態です! それに今は打ち上げもなく、本当にさらっと終わってしまった感じがしたので、今日こうやってみんなと座談会で会えて嬉しいです。
佐伯伊織さん(以下、佐伯):本当に1クールあっという間に終わってしまった感じです。私もまだまだ彩峰を演じたい気持ちがあるし、これから何年でも彩峰をやりたいです! やらせてください!と思えるくらい愛着の湧いたキャラクターでした。
Lynnさん(以下、Lynn):ストーリー的にはまだ序章というか、始まったばかりで、私はキャラクターとしても活躍の場が少なくて、そんなにしゃべった記憶がないんですよ(笑)。だから燃え尽きるまでもなく、燃え始めくらいで区切りが一度ついたので、続きがないと本当に困ります(笑)! 私ももっともっと美琴を演じていきたいと思っています。
田中貴子さん(以下、田中):第十二話の収録が終わった瞬間「あれれ~もう12話まで録り終わっちゃったぞ」って思うくらいのスピード感でした。それぞれのキャラクターのバックボーンみたいな深堀りもまだまだされていなかったので、そこをもう少し見たい!と思いつつ、ここまでついに進んだんだ!という気持ちもあります。
――ちなみに、この4人でアフレコが一緒だったことはあるのですか?
田中:4人一緒ということはなく、まんべんなく誰かとは一緒にできた感じなんですけど、それもいつも同じ人と一緒だったわけではなかったです。
――4人は共演も多かったのですか?
田中:私はLynnさんとはアニメでは初めてで、もともとお芝居が好きだったので、また新しいタイプのキャラクターをやられているのを間近で見れて勉強になりました。でも一緒にやれたのは短い時間だったんですけど……。あと伊織ちゃんは、この作品をきっかけによく話すようになりました。落ち着くというか本当に慧ちゃんみたいな感じで、そっと側にいてくれる感じでした。
佐伯:それも短い時間だったけどね(笑)。
田中:美来ちゃんは尊い!と思いました。委員長とは少し違うというか、ばぁーっといっぱい話すわけではないけど、落ち着きがあるところは委員長らしくもあって、そこはキャラクターとリンクしている感じがありました。
佐伯:確かに!
――では、アフレコでの思い出などはありますか?
伊藤:私と奈波果林さんといおりん(=佐伯さん)の組の収録があって、早めに終わったときにランチに行きました。そこでいろいろな話ができて良かったです。果林さんがたくさんお話してくれて、あっという間に時間が過ぎていきました(笑)。
佐伯:果林さんはめちゃめちゃ面白いし、心の壁がないんですよ!
田中:お顔はアナウンサーみたいできれいだから、スッとしている人かと思ったら、ひとつ話すと10返してくれるような人で、優しいお姉さんでした。
――奈波さんは、この座組だとムードメーカーのようなところはありましたね。
伊藤:そうですね。第2話のアフレコのときから、もうみんなと仲良くなっていたイメージだったので、『会ったら仲良し!』みたいなタイプです。
田中:友達100人作れるタイプだ。
――座長でもある白銀 武役の神木孝一さんはいかがですか?
佐伯:神木くんは、いじられキャラだと思います。
田中:ワンちゃんみたいな。
伊藤・佐伯:ワンちゃん?
田中:あれ? 違う? 私、首輪が見えるんだけど。
Lynn:ワンちゃんっぽいと思うよ。私にはしっぽが見える(笑)。
――田中さんとLynnさんは、前回の対談で意見が一致していましたね。
Lynn:話しかけてくるときも、聞きたいことがあるんですけどワンワン……みたいな感じ(笑)。
――ちなみに何を聞かれたんですか?
Lynn:結構真面目な話でした。第2話を見て思うことがあったみたいで、膨大なセリフ量を見たときにどうしていますか?っていう。
――すごく真面目な質問ですね。
Lynn:でも、それを先行上映会の合間に聞かれたので、ちゃんと答えられなかったんです。「今度会ったときに話すね!」と言ったまま、会えていなくて(笑)。
田中:今聞かないと会えないかもって思ったのかもしれないですね。結局私たちは一度も一緒にアフレコができなかったんです。
――神木さんはずっと孤独な戦いをしていたんですね……。では、鑑 純夏役の楠木ともりさんはいかがですか?
Lynn:私は初登場のときに一緒で、大丈夫かなぁってすごく心配していましたね。
――ひと言でどうやって純夏の感じを出すのか、みたいなところで悩んでいましたからね。実際映像を見て、すごく良かったとは思いましたが。
田中:純夏ちゃんがしゃべったときの、原作ゲームをやっているであろう視聴者の方の評価がすごく高くて、そのままにしか聞こえないとか、一発でヒロインとわかるって書いている人もいたし、私もまんま純夏だったと思います!
Lynn:彼女はさすがですよ。
田中:ホントに人生何周目?っていう。
伊藤:できる女性です。
――この4人の声だといかがですか? それぞれにお話を聞いたときは、原作の役者の雰囲気を出すことが難しいとおっしゃっていましたが、周りから見ると違和感が全然ないという現象が起こっていましたよね?
伊藤:みんなそっくり過ぎて! 声はもちろん、お芝居の仕方も寄せに行くところがありつつ、アフレコでは自分を出していいと言われていたので、それを工夫しながらみんながやっていたのを見て「すごいな!」と思っていました。皆さん、役作りで大変だったことはあります? どんなことをしていました?
Lynn:私は台本をいただいてから原作を進めていって、鮮明な記憶が残っている状態でアフレコをしていたんですけど、そのセリフの箇所で止めて、そこで何度も練習するというのを繰り返しやっていました。
でも“自分を出す”というところでいうと、どうなんだろう。極力違和感がないように、私の場合はできるだけ寄せたいと思っていましたね。監督は、そんなに囚われ過ぎなくていいよとは言ってくださったんですけど、そう作ってきていたのでそこは大事にしつつでした。
佐伯:原作の声を聞いて自分で声を出して、それを録音して聞いての繰り返しでした。彩峰はかなり特徴的なしゃべり方をしていて、何でこういうしゃべり方になったんだろうというのを考えつつ、自分の中に落とし込んでいく感じでした。そうやって作っていくけど、アフレコでは勝手に自分が出てしまうというところで、いい塩梅になったのかなと思います。
田中:たまちゃん(=珠瀬壬姫)も彩峰と同じく話し方が特徴的で、いわゆる本当にかわいい小さな子の声だったので、これを作って言っているとは思われたくないと思って、なるべく自然にしようと思いました。なので、家にいる日常のときの自分の独り言をたまちゃんでする、みたいなことをやっていました(笑)。
伊藤:えー! かわいい!!
田中:私、家にいるときリアクションがすごいんですけど(笑)、物が落ちたときに、たまちゃんなら「あうあうあうあうー」って言うので、実際に家で「あうあうあうあうー」ってやったり。「これどうしようかな?」って独り言もたまちゃんで「どうしようかなー?」ってやってみたり。たまちゃんをベースにする期間みたいなものがありました。でも、すごく楽しかったです!
Lynn:今、みんなの声を聞いていて思ったんですけど、そもそも地声がキャラクターと似ていますよね。私だけ全然違うところから声を出しているから、アプローチもそれぞれ違うのかなって思いました。
――確かに。でも伊藤さんも原作の声とは似ていないと思っていましたよね?
伊藤:委員長の声も特徴的で、優しさとかわいさがありつつ、凛としている低いところがあったので「これを真似するのむずっ!」と思って、チャレンジはしたんですけど寄せることはできないと思い、たくさんセリフを聞いてしゃべり方とか語尾の感じだけを入れて、オーディションでは私の思う委員長を出していこうと思ってやったら合格しました。なので、私もみんなそっくりだけど私は大丈夫か?って思いながらやっているところはあります。
佐伯:それは私もそうかも。
――自分では似ていないと思っていても、意外と地声は近いのかもしれない。
Lynn:あと、声色が同じじゃなくても息遣い、語尾の落とし方とかでその人のしゃべり方って印象づいているから、そこを捉えられていれば似ているように聞こえてくるのかな?とは思います。モノマネの方も、ちょっとした特徴を掴んで、それを突き詰めて練習するイメージがあるので。
――結果、みんなまんまだったということかもしれないですね(笑)。
田中:私はみんな違和感なく、委員長だ! 美琴だ! 慧ちゃんだ!って、すぐに思いました。