スクウェア・エニックスは，2021年10月26日に発売を予定している「Marvel’s Guardians of the Galaxy」（PS5/Xbox Series X/PS4/Switch/Xbox One。PCは10月27日に発売予定，Switchはクラウド版での発売予定）のメディア向け体験会を実施した。
本作は，マーベル・コミックの人気コミックで，映画やアニメにもなった「Guardians of the Galaxy」を，オリジナルストーリーのもとにゲーム化したタイトルだ。プレイヤーは“自称リーダー”のスター・ロード（本名：ピーター・クイル）となり，クセの強い4人のメンバーを率いて，銀河を巻き込んだ大騒動を繰り広げる，コメディタッチのアクションゲームとなっている。
今回はゲームの冒頭から4時間程度，ゲームが本格的に盛り上がってくる第5章より，そのボスを倒すまでの道程を，PlayStation 5で体験できた。本稿ではそのレポートをお届けする。
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ゲームはガーディアンズの宇宙船「ミラノ」の中から始まった。この章では，ここに来るまでに彼らがしでかした罪に対する罰金を払うために，ノバ軍警察の基地「ザ・ロック」へと向かう。
ミラノ内部の時点で操作が可能で，スター・ロードとなったプレイヤーは，メンバーのロケット，グルート，ガモーラ，ドラックスの4人と会話をしたり，それぞれの部屋を眺めたりして，その関係性を楽しめる。会話では選択肢が出ることもあり，ストーリー展開には直接影響しないものの，その後の会話の流れが選択肢に則った内容になっていくという。本作のガーディアンズは，結成から1年程度しか経っていないという設定があり，ゲームを進めていくことでその絆が深まっていく様子をスター・ロードの立場で体験できるのだ。
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本作でプレイヤーが操作するのはスター・ロードに限定されていて，ほかのメンバーは常に彼に同行し，それぞれの個性的な力を発揮しながら進んでいく。
例えばザ・ロックでの序盤の行動は，アドベンチャーゲームのように，ガーディアンズの力を使って道を切り開いていく展開が待っている。スター・ロードが［R3］で「バイザー」を使うと周囲の特定の場所の色が変わり，気になる場所に対して［L1］を押すと「ガーディアンズモード」が開く。そして同行する4人に割り当てられたボタン（PS5の場合は［□/△/×/○］）を押すと，そのメンバーがインタラクトして，先へ進めるようになるといった具合だ。とあるシーンでは，バイザーで発見した整備用の小さなアクセスポイントへ，体の小さなロケットに入り込んでもらうという流れになっていた。こうした謎解きはゲームの要所に組み込まれているという。
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ガーディアンズのチームワークは，敵との戦闘でも重要な要素となっている。今回プレイした章の中盤からは，ノバ軍警察との激しい戦いが展開した。スター・ロードは手持ちのエレメント・ブラスターでのショットと近接攻撃，そして固有のスキル「エレメントショット」を使って戦っていくが，彼の力だけでは倒すのが難しい強敵も登場する。そこでガーディアンズ達の力を借りるというわけである。
ガーディアンズは通常，オートで戦ってくれるが，戦闘中に前述のガーディアンモードを開くことで，対象の敵に対して固有のアビリティを使用してくれる。このときは対象のボタンでメンバーを選んだ後に，どのアビリティを使うかを選ぶ2段階の操作が必要となる。
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これにスター・ロード本人のアクションが加わるため，その操作はかなり忙しく感じるが，攻防がうまくかみ合うと実に気持ちいい。スター・ロード本人も加わった5人×それぞれ最大4つのアビリティという豊富な選択肢により，戦略性も高まっている。
今回のプレイなら，前方にバリアを張った強敵に対しては，スター・ロードの正面からのショットはほとんどダメージを与えられないのだが，ドラックスの敵をよろめかせるアビリティでバリアを無効化し，ガモーラの敵単体に対する強力な攻撃により大ダメージを与える，といったコンビネーションが成立した。それぞれの力のベストな組み合わせを見つけることも，本作の面白さの1つとなるだろう。
ちなみにメンバーのアビリティは，敵を倒すことで入手できる「アビリティポイント」を消費して取得する仕組みなので，序盤の選択肢は自ずと少なく，ゲームに慣れてきた段階で選択肢が増えていくバランスになっているようだ。
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前述の宇宙船ミラノのシーンでも触れたが，本作はゲーム全般を通して，ガーディアンズ達の絆が強調されている。探索時はもちろん，戦闘中も5人は常に会話をしていて，プレイヤーに各キャラクターの性格や関係性を印象づけている。これだけのセリフのパターンがありながら，日本語吹き替え対応なのもありがたい点だ。
とにかく全員が個性的すぎるので，ときに対立する様子も見られたが，戦闘ではプレイヤーの操作次第で見事なコンビネーションを成立させられるのも面白い。
5人の協力において象徴的な要素が，戦闘中に専用のゲージが溜まったときに使える「ハドル」である。ハドルは発動させるとガーディアンズが集合して作戦会議を行い，そこで表示される正しい選択肢を選ぶと彼らが戦闘に集中し，一定時間驚異的な力が発揮できるというものだ。
選択肢のうちどちらかが正解かは，背景にヒントとなるワードが並ぶ。正しい選択肢を選べれば，全員が強化されるが，もし間違ってしまうと，スター・ロードだけ気分が良くなり，1人でパワーアップするのが愉快だ。
ミラノの凝った内装や，ガーディアンズが互いの力を発揮して繰り広げる戦闘，メンバーの姿や表情など，グラフィックス全般もかなり手の込んだ作りで，PS5版はそれがより際立った印象だった。またサウンドには1980年代の洋楽ヒット曲が採用されており，ミラノ内でそれをBGMにすることができたほか，ハドルでもそれらの曲が使われていて，発動時にスター・ロードがカセットプレイヤーを高く掲げるポーズとともに，ヨーロッパの「The Final Countdown」が流れてきたときは，その世代の筆者はかなり興奮させられた。
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メンバーのキャラクターや関係性は，この第5章だけでも十分に分かる程度に描かれていたので，ゲームを最初からプレイすればさらに愛着も湧くはず。愉快で忙しいアクションと彼らのドタバタストーリーは，原作や映画などを知らなくても，体験してみる価値アリだ。