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トップモデルはプラグインハイブリッドになる模様。

アルファロメオは、ステルヴィオを小型化したコンパクトSUV「トナーレ」を発売する。今回、リークされたのは、トップモデルがプラグインハイブリッドになるということだ。最新情報。

2019年にすでにプロトタイプモデルが発表され、それ以来、我々は「アルファロメオ トナーレ」の市販版を待ち望んでいる。
そして、この度、いよいよこのたび、アルファロメオが計画している、そのコンパクトSUVの新情報が公開された。
つい先ごろ出版されたポーランドの雑誌「Spider’s Web」には、社内プレゼンで出てきそうな技術データが掲載されている。
その中でも、ハイライトはそのサイズ寸法についての部分だ。
それによると、「トナーレ」の全長は4528mm、全幅は1835mm、全高は1604mm、ホイールベースは2636mmという発表がなされている。
これにより、SUVは全方向で「ステルヴィオ」より、わずかに小さくなり、より正確には、16センチ短く、7センチ狭く、9センチ低いということが明らかになった。
全長が短いため、この数値によればホイールベースも短く、ステルヴィオより18センチも短い。

最もパワフルなトナーレは、プラグインハイブリッドとなる?

また、今回のリークには、エンジンに関する情報も含まれている。
例えば、130馬力のガソリンエンジンから始まり、8速オートマチックが標準装備され、マイルドハイブリッドのバリエーションも用意されると言われている。
そして、その上には160馬力のガソリンエンジンがラインナップされると噂されており、暫定的なトップモデルはシステム出力合計240馬力と全輪駆動のプラグインハイブリッドバージョンになるという。

しかし、「トナーレ」に競争力を持たせるには、純粋な電動走行で約80kmのバッテリー持続が必要となる。
そして、当然、アルファはよりパワフルな「QV」バージョンを持ってくることが想定される。
しかし、まずは正規の「トナーレ」の生産モデルを発表する必要があり、それは2022年春までにはおこなわれるはずだ。
そして、おそらく2022年中には、最初のモデルがディーラーのショールームに並ぶことになるだろう。

スタディモデルは、ほぼ量産型に近いかたちをしていると言えよう。
なぜなら、プラグインハイブリッドドライブを搭載したショーカーは、ほぼ市販に近い状態だったため、量産に向けて大きな変更はないものと思われる。
あとは、ヘッドライトとサイドミラーだけが大きくなる可能性が高い。
そのため、アルファはクラシックなモデルのデザイン要素を取り入れることも可能だ。
例えば、「ティーポ33ストラダーレ」以来のターンテーブルルックのホイールや、「アルファSZ」や「ブレラ」クーペを想起させる3灯式スリットヘッドライトなどである。
ちなみに、「トナーレ」というモデル名は兄貴分の「ステルヴィオ」と同じく、イタリアの峠道から命名されたものだ。

近未来的なインテリアの仕上げ。しかし、おそらく量産車にはこのような内装は到底間に合わないだろう。

吹き出し口にディスプレイを設置したインテリア

スタディのインテリアは、クラシックなアルファのコックピットを未来的に再解釈したような印象だ。
これは主に、1960年代の木製フラウンスを彷彿とさせる、深いカップ状のステアリングホイールに起因するものだ。
その背後には、従来の円形ディスプレイの形状を模したデジタルインストルメントクラスターが配置されている。
そして、吹き出し口には、設定温度を示す小さなディスプレイがある。
インフォテインメントは約10インチのタッチスクリーンで操作し、ジェスチャーでの操作も可能となっている。

アルファロメオの「ステルヴィオ」に続くSUV第二弾がこの「トナーレ」である。若干「ステルヴィオ」よりも小柄なのと、より先進的なメカニズムを持ち、内装などもデジタルデバイス満載のものになると予想されている。それでもアルファロメオの魅力が先進的な部分かというとそうではないように思えるし、やや古典的でありながらスポーティという「ステルヴィオ」の持っている魅力を欠いてしまうようにも思えるのだから、クルマづくりというのはつくづく難しい。
それでもおそらくこの「トナーレ」は、実際に世の中に出るとかなりスタイリッシュだし、大きさ的にも大きすぎず、人気を博すのではないかと思われる。あとはアルファロメオにとってSUVも必要なのはわかるが、本来なら発売するべきスポーティクーペや小型ハッチバックのようなモデルもぜひ開発して、そこそこの価格で市場投入してくれることを期待していたい。

Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Alfa Romeo