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Via Separations(ヴィア・セパレーションズ)は、MITの材料科学エンジニアのカップルが立ち上げたスタートアップ企業だ。彼らは製造プロセスに必要なエネルギー量を削減する方法を考え出し、結果として炭素排出量、エネルギー使用量、コストを削減することに成功した。米国時間10月21日、同社はシリーズB投資ラウンドを実施し、3800万ドル(約43億円)を調達したことを発表した。

今回のラウンドは、二酸化炭素の排出量を削減するための投資に注力しているNGP ETPが主導し、2040 Foundation(2040ファウンデーション)の他、既存投資家のThe Engine(ジ・エンジン)、Safar Partners(サファー・パートナーズ)、Prime Impact Fund(プライム・インパクト・ファンド)、Embark Ventures(エンバーク・ベンチャーズ)、Massachusetts Clean Energy Center(マサチューセッツ・クリーン・エナジー・センター)が参加した。

CEO兼共同設立者のShreya Dave(シュレヤ・デイヴ)氏によれば、この会社は製造工程で炭素を削減することによって、消費者がより環境に配慮した商品を購入できるようにするための手助けをしたいのだという。

「基本的に私たちのビジョンは、サプライチェーンのインフラを脱炭素化できれば、消費者が欲しいものと地球に良いことをする方法のどちらかを選択しなければならない、ということがなくなるというものです」と、同氏は筆者に語った。

Viaのソリューションは、製造工程の途中で輸送用コンテナに設置され、生産される製品のろ過システムとして機能する。デイヴ氏は、ろ過プロセスの仕組みを、パスタの鍋に例えて説明した。「熱を加えて水を沸騰させた鍋の中に入れるのではなく、ストレーナー(こし器)を通すのです。圧力をかけてパスタストレーナーのようなフィルターを通過させるわけです」。

それにはいくつかの利点があるとデイヴ氏はいう。まず、熱の代わりに電気を使うので、必要なエネルギー量が減る。熱を使うプロセスに比べて、90%ものエネルギーを削減できるという。さらに、このプロセスでは電気を使用するため、再生可能エネルギーから電気を得ることができれば、プロセスの電化とエネルギー効率の向上の両方が実現できる。

複雑なソリューションを構築している初期のスタートアップ企業として、Viaは当面、50億ドル(約5700億円)規模のパルプ製紙業界に集中することに決めたが、この技術は、石油化学、食品・飲料、医薬品など、他の業界にも広く応用できる可能性がある。

同社はこれまでに3件のパイロットプロジェクトを進めているが、最終的にはこのソリューションをサービスとして提供することを目標としている。これを導入する顧客企業は、資本コスト全体を削減することができ、メンテナンスの負担を顧客自身ではなくViaに押し付けることができる。また、同社ではソフトウェアによるモニタリングソリューションも構築しており、製品を監視することで、顧客が最大限の効果を得られるように支援し、メンテナンスの問題を早期に発見できるようにしている。

Viaは2017年にMITからスピンアウトした。現在の社員数は23名で、年内に30名に達することを目標としている。デイヴ氏は、多様性のある創業チームとして、共同創業者でCTOのBrent Keller(ブレント・ケラー)氏とともに、多様性のある社員の集団を作りたいと語っている。

「採用するすべての職種に多様な候補者がいるというのが私の哲学です。しかし、リソースに制約があるという現実もあります。ですから、私たちは最も広い視野が得られるように、リソースを配分するよう努めています」と、デイヴ氏はいう。それは、経験よりも可能性を重視した採用を意味するということかもしれない。彼女によれば、同社では採用時に厳格なアンチバイアス教育も実施しているという。

このスタートアップのアイデアは、デイヴ氏とケラー氏がMITの大学院生時代に、現在同社の主任研究員を務めているJeffrey Grossman(ジェフリー・グロスマン)教授のもとで行っていた研究がルーツになっている。

「共同設立者と私は水のろ過膜の研究をしており、水から塩を取り除くプロセスを、より安く、より良く、より速くする方法を検討していました。その結果、私たちが発明したものは、水にはあまり応用できないものの、水以外のものを原料とする化学品製造には大きな可能性があることがわかりました」と、デイヴ氏は述べている。

会社を立ち上げたとき、彼らは最終的に、温室効果ガスの観点からより影響力の大きい工業製品の製造に焦点を移すことにした。これは創業者たちが特に重要視している点である。

画像クレジット:Via Separations

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)