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OpenCore Legacy Patcherを使用して、非対応機種にmacOS Montereyなどをインストールした際に、パフォーマンスが著しく悪い、描画が正しく行われない、Wi-FiやBluetoothが利用できないといった場合はボリュームパッチを使用します。ただし、環境や機種によってはボリュームパッチをインストールする際にエラーが発生し、インストールできないケースがあります。この記事では、ボリュームパッチをインストールできない場合の解決方法をご紹介します。

考えうる主な原因

ボリュームパッチがインストールできない原因としてはSIP(System Integrity Protection)が有効になっているケースやインターネットが利用できないケースが想定されます。

SIPが有効なMacの場合

OpenCore はセキュリティへの関心が高く、SIPが有効にできるモデルについてはOpenCore Legacy Patcherをビルドする際にSIPを有効にします。ただ、ボリュームパッチをインストール際にはSIPを無効にする必要があります。

例えば、下記のようなエラーが発生した場合には、まさに、SIPが有効になっているためにボリュームパッチのインストールができなかったと明記されています。

Cannot patch!!! Please disable SIP!!!
Disable SIP in Patcher Settings and Rebuild OpenCore
Ensure the following bits are set for csr-active-config: ...

このように、SIPが有効になっているMacでは、ボリュームパッチをインストールすることができません。ちなみに筆者が確認したところによると、OpenCore をビルドする際に、デフォルトでSIPが有効になるMacは下記のようになります。

OpenCore 使用時SIPがデフォルトで有効なMac

この記事を執筆時点(2021年11月22日)で、SIP(System Integrity Protection)がデフォルトで有効な機種は次の通りです。

  • iMac (21.5-inch, Mid 2014)
  • iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2014)
  • MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2014) の特定のモデル
  • MacBook Pro (Retina, 13-inch, Mid 2014)
  • MacBook Air (13-inch, Mid 2013)
  • MacBook Air (13-inch, Early 2014)
  • MacBook Air (11-inch, Mid 2013)
  • MacBook Air (11-inch, Early 2014)
  • MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)
  • Mac Pro (Early 2008)
  • Mac Pro (Early 2009)
  • Mac Pro Server (Mid 2010)
  • Mac Pro (Mid 2010)
  • Mac Pro Server (Mid 2012)
  • Mac Pro (Mid 2012)
  • Xserve (Early 2008)
  • Xserve (Early 2009)

上記のMac、またはSIPを有効にしたMacでボリュームパッチをインストールする際には下記のようなエラーが発生します。

SIPを無効にする方法

このエラーが発生した場合にはこちらの記事を参考にSIPを無効にして、再度ボリュームパッチをインストールすることで、無事に解決!という事になると思います。

インターネットの接続に問題がある場合

macOS Monterey ではmacOS Big Sur まで利用できていたグラフィックアクセラレーションやWi-Fi、Bluetoothなどの多数のハードウェアのサポートを停止しました。それにより、「macOS Big Sur ではWi-Fiが利用できていても」macOS Montereyにアップグレードした時点で、特定のMacについてはWi-FiやBluetoothが利用できなくなります。

これらの問題については、OpenCore Legacy Patcherのボリュームパッチをインストールすることで再度利用可能になりますが 、そもそも、インストールができないのでは本末転倒です。通常のOpenCore Legacy Patcherではパッチのインストールに必要なデータを必要になったタイミングでダウンロードするので、インターネット接続がない環境下ではにっちもさっちもいかなくなります。

この時の解決策としては、LANケーブルを使用するなど、Wi-Fi以外の方法でインターネットに接続をするか、 オフラインで利用可能な「OpenCore-Patcher-TUI-Offline.app」を使用する2つが考えられます。

OpenCore Legacy Patcherのエラーの例

オフライン版OpenCore Legacy Patcherの使用方法については、通常のOpenCore Legacy Patcher TUI版と何ら変わりません。ただし、通常のOpenCore Legacy Patcherが30MB程度に対し、オフライン版は500MB以上ありますので、比較的ディスク容量に余裕がある場所に保存しましょう。

別のMacやPCから、こちらのリンクより「OpenCore-Patcher-TUI-Offline.app.zip」をダウンロードし、該当のMacでご利用ください。

なお、「OpenCore-Patcher-TUI-Offline.app」の使い方はこちらにございます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
無事にボリュームパッチをインストールすることはできましたでしょうか?
当ブログでは引き続き、OpenCore Legacy Patcher についてまとめていきます。
トラブルやインストールについてのご報告もお待ちしております!

引き続き楽しいMacライフを!

では!