日本時間12月23日午前3時より、Steamウィンターセールが始まりました。本稿ではこの機にSteamに触れ買い物をするユーザーに向け、「まだSteamにあまりなじみがない」「家庭用ゲーム機では遊べないタイトル/できない体験」の2つをコンセプトに、セール対象タイトルをメインとしたオススメタイトルを紹介します。
◆『ファイナルファンタジーIII ピクセルリマスター』
初代『FF』から『FFVI』までのシリーズ初期6作品が新たな2Dグラフィックとサウンドで蘇るリマスター作品が配信中です。2021年12月現在は『FFV』までリリースされていますが、『FFIII』のドット絵によるリマスターは本作が初となります。その上現在はモバイル以外ではSteam版のみ。残念ながらセール対象ではありませんが、それでも「ウィンターセールでSteamをしばらくぶりに、もしくは初めて見た」というユーザーには魅力的に映るでしょう。
グラフィックのテイストはオリジナルの雰囲気を極力そのままに、バランスには手が加えられているのがシリーズを通しての、オリジナルのファミコン版ではクリアまで軽く30時間はかかった本作も10時間ほどでサックリと楽しめます。ジョブのバランスも調整されており、経験者の方も意外なジョブでのプレイを楽しめるはずです。個人的にはバイキングが意外な活躍をしてくれたのが印象的でした。
本シリーズのラストを飾る『FFVI』ピクセルリマスターは2022年2月に配信予定です。
◆『Little Witch Nobeta』
“ロリダークソウル“と呼ばれネット上で一躍話題になった、『ダークソウル』にヒントを得た3Dアクションシューティングゲームです。小さな魔女のノベタが、自分にまつわる謎の答えを得るために広大な古城を探索します。
“歯ごたえのある難度“と”ほのかに暗い雰囲気をまとうファンタジーの世界“は『ダークソウル』ライクですが、ノベタが魔女であり、そしてジャンルにシューティングと書かれているように、本作は魔法による遠距離攻撃手段も豊富に用意されています。かわいい魔女っ子のノベタを死なせたくない一心で、高難度を乗り越えましょう。
現在配信されているのはアーリーアクセス版で、2022年リリース予定の製品版はPS4、スイッチでも配信予定です。
◆『Noita』
フィンランドのインディーゲームスタジオ・Nolla Gamesによる大ヒットローグライトアクションゲームです。全編がドットで描かれた、遊ぶたびに地形が変わる自動生成ダンジョンを探索します。
ここまでなら同じ体験ができるゲームは他にもありますが、本作の唯一無二な点は「主人公が使う多彩な魔法で、物理シミュレーションで制御された世界がいかようにも変化する」ことにあります。
大きな湖が邪魔だと思ったら、魔法で底に穴を開けてしまえば水を抜けます。そこを渡るだけでなく、空いた穴の向こうにも新たな世界が広がっています。もしうっかり火だるまになってしまったら、頭上に雨を降らせればすぐ鎮火できるでしょう。
ダンジョンに変化をもたらすのはプレイヤーだけではありません。せっかくハシゴを登っていたのに、敵の攻撃でハシゴが壊れてしまった…なんてことも日常茶飯事です。探索アクションゲームでありながら、まるでRPGでも遊んでいるかのように”さまざまなストーリー”を楽しめます。
◆『OPUS 星歌の響き』
台湾のインディーズデベロッパー・SIGONOによる『OPUS』シリーズの3作品目です。プレイヤーは膨大なエネルギーを有するという未知の惑星「龍脈」を探し続ける少年リバクは、龍脈の巫女エイダと運命的な出会いを果たします。そんな2人が紡ぐ宇宙の旅と待ち受ける困難を描くアドベンチャーゲームです。
シリーズ3作目とはいえ作品ごとにゲームデザインが異なり、ストーリーにも連続性はないので本作から遊んでも問題ありません。シリーズ間で共通しているのは”宇宙へのある種の憧憬”、とでもいえるものくらいでしょうか。プレイ時間はコンパクトながら、透明感のある雰囲気やちょっとビターな物語に胸を締め付けられること請け合いです。
◆『ATRI -My Dear Moments-』
スマホゲーム『Fate/Grand Order』製作委員会の一社としてもおなじみなアニプレックスのノベルゲームブランド・ANIPLEX.EXEが配信するタイトルで、企画・シナリオに『この大空に、翼をひろげて』の紺野アスタ氏を迎え、さらに『グリザイア』シリーズのフロントウイングと『サクラノ詩-櫻の森の上を舞う-』の枕が共同制作として名を連ねます。
物語の舞台は原因不明の海面上昇で地表の多くが海に沈んでしまった近未来の世界。幼い頃の事故で片足を失った少年・斑鳩夏生と、彼が目覚めさせることになった少女の姿をした感情豊かなロボット・アトリのひと夏の物語が描かれます。
ロボットにも感情や人格が宿るのなら、それらの定義とはなんだろうか? ゆるやかに滅びゆく世界で、それでもと努力し続けることに意味はあるのか? コンパクトなボリュームながら、アトリのかわいらしさと”読ませる系”のノベルゲームならではの骨太なストーリーを楽しめます。
◆『UnMetal』
家庭用ゲーム機でもリリースされているインディーズゲーム『UnEpic(アンエピック-オタクの小さな大冒険)』を手がけたUnepic_Fran氏による新作タイトルで、PS4とスイッチでの配信は本稿執筆時点でまだ海外のみとなっています。
『UnEpic』は「海外のヒネくれた男性ゲームオタクのダニエルが毒づきながらも仲間たちとテーブルトークRPGに勤しんでいる」というトガったプロローグから始まるトガッた作風でしたが、そのノリは健在。本作は某メタルでなんとかソリッドなシリーズの初期作に強くインスパイアされた2Dステルスアクションゲームとなっています。
風貌だけはいっちょまえのエリートコマンドーに見えるジェシー・フォックスが、ハリス大佐と無線でやりとりしながら無実の罪で投獄された軍事基地からの脱出を目指します。ウィットに富みつつトガった会話シーン、そこかしこに散りばめられたさまざまなパロディ、アクションゲームとしての丁寧な作り込みなど、作風が肌に合えばガッツリとハマれる一作に仕上がっているのも『UnEpic』と同様です。
◆『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』
アトラスによる大人気RPGシリーズ第4作目『ペルソナ4』にさまざまな要素をプラスした強化版です。オリジナルはPS Vitaでリリースされているのみですので、現時点で所有していない人が今から環境を整えるのはちょっとキビシイところ。そこでこのSteam版というわけです。残念ながらセール対象ではないのが悔やまれますが、思い立ったら吉日ということで、普段はSteamを触っていないならばこの機に購入してしまうべきでしょう。
『ペルソナ』シリーズは『3』で大きな方向転換をしてそれまで以上の大ヒットを果たしましたが『ペルソナ4』はさらに別格といえるタイトルで、ゲームはもちろん、TVアニメも人気沸騰となりました。その後もリズムゲームや格闘ゲームなど、さまざまなジャンルの派生タイトルで文字通り引っ張りだことなった偉大な”番長”の原点に触れてみてはいかがでしょうか。
◆『ウィザードリィ外伝 五つの試練』
59 studio開発、インサイドとGame*Sparkを運営するイードより配信中の3DダンジョンRPGです。2006年にPCでリリースされた同名タイトルをワイドスクリーン、高解像度に対応。より臨場感を増した地下迷宮とそこにうごめく魔物たちがプレイヤーを待ち受けます。
5本の公式シナリオのほか、2006年の初版リリース時から投稿され続けてきた約100本ものユーザー投稿シナリオもコンバート! 終わることのない冒険を楽しめるうえ、2022年には本バージョン用の新たなエディタがリリース予定です。
シンプルかつストイック、そして常に死と隣り合わせな冒険をお届けします。
◆『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』
ゲームの内容や動作を改変する小規模なプログラムやデータを、「改変」を意味する英単語を略してMOD(モッド)と言います。プレイヤー同士の対戦などがあるゲームでこれが出回るとなかなかタイヘンなことになったりしますが、MODは最早PCゲームの文化のひとつともいえるもので、ソロで遊ぶゲームをMODでいじくり回すのも楽しいものです。
そんなMODが大きく盛り上がったタイトルのひとつが、リリース10周年を越えてなお愛される続ける本作です。MODとは無縁の家庭用ゲーム機移植版だけでも1000万本以上売れているタイトルですのでそのまま遊ぶだけでも十二分に楽しめますが、MODの勝手が分かってくるとPCゲームならではの”ゲームそのものをカスタマイズする“楽しみにズブズブとはまってしまうかもしれませんよ。
◆『バレットガールズ ファンタジア』
D3パブリッシャーによる美少女ミリタリーアクションシューティングシリーズの最新作で、2018年にPS4/PS Vitaでリリースされたタイトルの移植版です。
由緒正しいお嬢様学校・岬守学園にある”専守防衛を目的とする”レンジャー部の部員たちが剣と魔法のファンタジー世界に転移してしまい、銃器の扱いに長けた制服美少女と王国最強の姫騎士が手を取り合って戦ったり、賢すぎるオークたちが戦車や戦闘機を引き連れて突っ込んできたりと、いい意味でブッ飛んだ物語とバトルを楽しめます。
そしてPCでリリースされた以上、もちろん本作にもMODが存在します。その中には、本作の重大な部分を占めるとある一面を大幅に強化するものも…!?
◆『閃乱カグラ Burst Re:Newal』
マーベラスが3DSでリリースした「閃乱カグラ」シリーズ2作目『閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-』を、シリーズ6作目の『閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS -少女達の選択-』に準じて一新したHDリメイク作品で、PS4で2018年にリリースされました。
現代にも連綿と続く忍者育成機関に通う少女たちの戦いを描くアクションゲームで、”爆乳ハイパーバトル“の名にふさわしく、忍びの少女たちのスピーディーなアクションで揺れ動いたり揺れ動かなかったり、でもやっぱり大きく揺れ動く作品です。『紅蓮の少女達』、そしてそのリメイクたる本作には1作目のストーリーもすべて収録されているので、シリーズの乳(入)門作でもあります。
そしてPCでリリースされた以上、もちろん本作にもMODが存在します。その中には(以下略)。
今回紹介したタイトルはPCのスペックがそこまで必要とされないものが多く(※『スカイリム』でMODを山ほど導入した場合はその限りではありません)、そういう意味でも”初Steam”タイトルとして向いているのではと思います。PCをお持ちの方は、いつでも”Steam沼”であなたをお待ちしております! Steamウィンターセールの開催期間は、2022年1月5日までとなります。