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シンガポールやマレーシアなど東南アジアでTPPに参加する国は、台湾の加入申請に対して今のところ明確な反応を示しておらず、外交面などでの影響を念頭に、どのように対応するか慎重に検討しているとみられます。

東南アジア各国が加盟するASEAN=東南アジア諸国連合にとって地理的にも近い中国は、域外では最大の貿易相手国で、経済的な結びつきは強まっています。

このため東南アジアでTPPに参加するシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイのうち、マレーシアは、今月16日に中国がTPPへの加入申請をした際には「2国間の貿易や投資をさらにレベルの高いものにすると考えている」などと、政府として歓迎する意向を国営通信を通じて示しました。

シンガポールも、中国の王毅外相が申請の直前に訪問した際、中国が加入を検討していることに対し、歓迎する意向を伝えていました。

一方、ベトナム外務省は、23日の定例の記者会見で、中国と台湾が相次いで加入申請をしたことについて「ほかの参加国と緊密に協議を行っていく」と述べるにとどまりました。

台湾の申請については、東南アジアでTPPに参加するほかの国もいまのところ明確な反応を示していません。

各国としては、TPPに参加する国や地域が増えたほうが、経済的なメリットは大きくなるとみられる一方で、外交面などでの影響を念頭に、中国に配慮して、どのように対応するか慎重に検討しているとみられます。

東南アジアの各国はどの国や地域とも経済的な関係を強めたいという狙いがあり、難しい対応を迫られそうです。