私たくのろじぃは Microsoft Learn Student Ambassadors で活動して約半年が経ちます。そこで、半年活動した感想や、今後応募を考えている人に役立つような情報をまとめたいと思います。
皆さんは Microsoft Learn Student Ambassadors (MLSA) という学生コミュニティをご存知でしょうか?
studentambassadors.microsoft.com
MLSA は学生を中心に Microsoft 製品や技術の紹介、ハンズオンなどを通して学生同士の技術力を高め合うためのコミュニティ活動を行っています。特に最近ではオンライン授業の普及により、コンピュータや Office 製品に触れる機会が多くなり、このような活動が重要になってきています。
※ Microsoft Student Partners (MSP) は2020年より、 Microsoft Learn Student Ambassadors (MLSA) に名称が変更されました。
1. MLSA Japan の活動について
MLSAは地域ごとに活動を行っており、日本では約10名のアンバサダーが活動しています。具体的な活動としては、月に1度のペースで MS Tech Camp というハンズオン形式のイベントを開催しています。Microsoft 製品や技術に触れながら、楽しく学べてスキルアップができるようにサポートし、より多くの学生に興味を持ってもらうことを目指しています。(学生だけでなく、社会人の方も参加が可能です。)
また、Microsoft Imagine Cup という学生向けの大会についての案内も行っています。Imagine Cup は世界最大規模のITコンテストであり、世界中の学生と競い合うことができる大会です。日本からも参加しており、2020年にはチーム “Syrinx” 準優勝しました。このチームの代表である竹内さんも MLSA のメンバーです。
imaginecup.microsoft.com
これら以外にも、様々なコミュニティの方々とコラボレーションしながら情報共有したり、LT参加をしたりしています。
ちなみに、私の主な活動としては Minecraft を軸にしてプログラミングや Azure などの技術を伝えることです。学生に人気の Minecraft を「ただのゲーム」ではなく、「遊びながら学べるコンテンツ」として普及させていくことを目標にしています。
2. 約半年経っての感想
この半年間で様々な方々と交流ができて、すごく良い刺激になりました。 私自身、このようなコミュニティへの参加は初めてだったので何もかもが新しく、もっと勉強して周りのメンバーたちについていきたいと思いました。というのも、メンバーの経歴がつよつよなので、「自分もなにか実績を作っていきたい」というモチベーションアップにつながっています。また、MSの社員さんと連絡を取ることができ、イベント開催にあたってのアドバイスを頂いたり、まだ公開されていないようなイベント情報を知ることができたりと色々すごいです(語彙力…)。
何かやりたいことがあって、それが Microsoft 製品や技術を使うようなものであれば、十分な環境が整っています。なので、今の所何不自由なく活動できています。ただ、特典でも記述しますが Microsoft 製品のサポートが良すぎるので、全てを使いきれていないのが(贅沢な)悩みかもしれません。(笑)
3. MLSA のランクと豪華特典
MLSA ではランクが設けられています。現在では4段階のランクがあり、それぞれの特典はこのようになっています。
ランクは活動実績によって
- New (無印)
- Alpha
- Beta
- Gold
と昇格していきます。
特に、Alpha ランクの
- 月額 150 米国ドルの Azure クレジット
- Visual Studio Enterprise サブスクリプション
はやばいです。Azure クレジットは Microsoft のクラウドサービスである Azure を毎月 150 ドル分使用できます。学生アカウントでは1年間で 100 ドルなので、これだけのクレジットがあれば困ることはないと思います。そして、Visual Studio Enterprise サブスクリプション は、あの統合開発環境である Visual Studio の最上位版です。つまり、大企業が使用するような環境が無料で手に入ってしまいます。しかも、このサブスクリプションは Visual Studio だけでなく、Office 製品や OS (中には特別な OS も…?)のプロダクトキーも配布され、ほとんどの Microsoft 製品を無料で使うことができます。
次に、Beta ランクの Swag ですが、これは記念品のようなものです。正式には Swag Box で、中には証明書や水筒、MLSAのロゴが入ったシャツなど、様々なものが同梱されています。
このように MLSA になると様々な特典を受け取ることができます!
※ランク昇格のためには画像にあるような活動実績が必要です。
4. 応募方法について
MLSA に興味がある方は下記のリンクの「今すぐ応募する」から応募してみてください。
studentambassadors.microsoft.com
また、入力内容に関してはこのページが参考になると思います。(タイトルは MSP になっていますが、MLSA と同じ入力フォームです。)
入力内容は次のような流れで行います。
- 応募条件の確認と同意
- 個人情報の記入
- 自己PRセクション
- 追加情報
1 と 2 に関しては画面の指示に従って入力すれば問題ないと思いますが、電話番号の入力は注意してください。例えば、(080-0000-0000) のような電話番号の場合、最初の1ケタ目の番号 0 を除いて (80-0000-0000) のように入力する必要があります。
4.1 自己 PR についてのポイント
一番重要なのが 3 番目の自己PRになります。ここのセクションでは
- Inspire
- Teach
- Promote
の3種類について記述する必要があります。審査は Microsoft 本社でも行われるため、全て英語で記述しましょう。書き方については上記のリンクを参考にしていただくのが一番ですが、私なりにどのように書いたかをまとめます。
4.1.1 Inspire
このセクションは「なぜ技術が好きなのか、なぜ学生の学びを支援(貢献)したいのか」を書きます。MLSA に対するモチベーションのようなものです。
- MLSA としてどのような活動を行っていきたいか
- その活動をしたいと思ったきっかけ、背景
- 活動内容とその活動によって期待できる効果、目標
- 自分の現在行っているプロジェクトについてのアピール(このとき、私は Minecraft 自動化をやっていたので、これを説明しました。)
コミュニティリーダーとして何ができるか、何をしていきたいか、何を目指しているのかを具体的かつ簡潔に述べられると良いと思います。
4.1.2 Teach
このセクションは「Inspire セクションで書いたことをどのように伝えていくか」を書きます。特に、初見の方にはどのように説明するか、工夫するかを意識して書きましょう。
- ブログや資料、動画を作成している場合は、これらを使用してどのように伝えていくか
- ソースコードの公開やアプリの公開はしているか、配布しているか
- これらの資料を作成する上で心がけていること、こだわっているポイント
- ターゲットにしている層や、新規ユーザに対する配慮(専門用語に注釈を入れるかどうか)
- 人に教えるために必要なこと(例えば受講者の目線に合わせる、丁寧にゆっくり説明するなど)
MLSAは上記でも書いたように、他の学生に技術や情報を伝える立場ですので、「何をどうやって伝えるのか」が重要になります。登壇した経験や、学校内外で勉強会を開いたり参加したことがある場合は、「どのような教え方だったら相手に伝わるか」を考えると良いと思います。逆に、経験のない方は「こんな人に教わりたい!」を考えてみると色々と思い浮かぶかもしれません。
4.1.3 Promote
このセクションは 「所属している学校でイベントを開催する場合の集客方法はどうするか」を書きます。イベント開催といってもお客さんがいないと意味がありません。あくまでも主役はイベント参加者なので、集客方法が明確である必要があります。
- 対象者はどうするか(初心者向けなのか上級者向けなのかによって、参加者への対応が変わると思います)
- 使用する媒体や施設など(特に最近はオンライン開催が多く Zoom, Youtube, Teams などが挙げられます)
- Twitter や Facebook などの SNS を活用できるかどうか
- イベントのPR方法と宣伝効果を高めるにはどうするか(インフルエンサーにお願いしたり、PVをつくったり…?)
- ハンズオン形式なのか、LT(ライトニングトーク)形式なのか
- そのイベントに参加することで得られるものは何か、参加して良かったとなるための工夫はどうするか
各セクションにおいてアピールしてきた内容を実行するには、イベント開催が必須です。従って、イベント開催のための集客が重要になります。人を集めるには「珍しさ」や「需要」を把握しておく必要があるので、書き方に悩む場合は「どういうイベントだったら参加してみたいと思うか」を意識して書くと良いと思います。
私の場合 Minecraft が好きなので、「マイクラでプログラミングしてみよう!」であれば参加したいと思います。
4.1.4 アピール動画の提出
この3つのセクションのうち、最低1つは動画で撮影して送る必要があります。私は上記のうち Inspire セクションを動画で撮影しました。意識したことは以下の3つです。
- 正面を向いてはっきりとした声で話す
- 伝えたい部分は特に強調する
- アピールになるようなもの(プログラムやアプリ)を動画に載せる
1 と 2 に関しては参考リンクにもありますので説明は割愛します。3 に関してですが、当時私はマイクラ自動化をやっていたので、そのプログラムを動かしている様子をキャプチャし、動画に載せました。マイクラ自動化を説明しながら実行している様子を流すことで、わかりやすく伝える事ができ、技能のアピールにもなります。ただし、編集しすぎるのはあまりよろしくないので、応募者の顔がメインに映るようにしましょう。あと、BGMをつけて明るい雰囲気になるようにしました。
動画に関しては、前向きで熱意が伝わるような内容であれば問題ないと思います。また、日本人は謙虚すぎてしまう性格が目立つようなので、少し大げさにやるほうがいい印象を与えるようです。ちなみに動画も英語でアピールします。
4.2 追加情報について
このセクションでは自分のブログやSNS、Githubなどのリンクを貼り付けていきます。特に、ソースコードは評価してもらいたいものをピン留めしておくと良いかもしれません。また、リンクが多いほど「多岐に渡って活動している」という印象が与えられるのではないかと思います。
4.3 応募方法に関するまとめ
- Inspire : MLSA としてどんな活動をするかを具体的且つ簡潔に書く
- Teach : どんなユーザに対してどのように伝えていくかを具体的に書く
- Promote : どうすれば集客できるのか、自分だったらどんなイベントならば参加してみたいかを意識して書く
- 追加情報 : 様々なメディアでアピールできるように準備しておく(特に Github)
これらを意識するといい感じにアピールできるのではないかと思います。
また、四半期ごとに募集しているので、万が一不合格でも何度でも挑戦できます。
5. MLSA に関するリンク
所属しているアンバサダーはこちらから確認できます。「地域」でフィルタをかければ日本に所属する人を検索することができます。
https://studentambassadors.microsoft.com/ja-jp/search
イベントページはこちらから確認できます。
https://mspjp.connpass.com/
Youtube チャンネルもあります。過去のイベントのアーカイブはこちらからご覧になれます。チャンネル登録もよろしくお願いします!
https://www.youtube.com/channel/UCbYatXqIz_h_Qp0y3AHqoQg
Twitter アカウントでも情報発信を行っています。フォローお待ちしております。
https://twitter.com/_mspjp
6. おわりに
日本に所属しているアンバサダーは、アメリカやインドなどの他国に比べて非常に少なく、このままでは日本のアンバサダーが 0 人になってしまうかもしれません…。
アンバサダーがたくさんいれば大規模なイベントを計画したり、面白いアイディアが色々と出たりすると思います。コミュニティを広げていくためにも、多くの方に応募していただきたいと思います。
ちなみに、MLSA Japan の雰囲気としては部活動みたいな感じです。社員さんからの案件をこなすわけではなく、自分たちで「あれやりたい」「これやりたい」を実現できるので、結構自由に活動できます。参加してすぐにイベントを開催しないといけない…ということもありません。自分も1月から参加しましたが、イベントを主催したのは4月です。結構時間があったので、じっくり準備することができました。MLSA に応募できるのは学生の間だけですので、ぜひ検討してみてください。
皆様の参加をお待ちしております!
イベントのお知らせ
2021年5月31日(月) の 20:00 ~ 21:00 に MS Tech Camp #7 を開催します!
Custom Vision Service で画像分類 AI を構築するハンズオンを行います。AI に興味がある方、Custom Vision Service を使ってみたい方はぜひご応募ください。まだまだ募集中です!