対立を煽って社会分断が目的だからこういう表現になる。
- 朝日新聞英語版「ゼノフォビアらが反対のプロパガンダ」
- 朝日新聞英語版社説「外国人が日本の国益を害する可能性という誤解」
- 朝日新聞英語版社説「武蔵野市の外国人住民投票条例案が違憲違法ではないのは明らか」
- 違憲違法であるとも言い切れないが、違憲違法ではないとも言い切れない。
- 条例案反対論を「人種差別スピーチ・外国人恐怖症の主張」と過激な攻撃までする朝日
朝日新聞英語版「ゼノフォビアらが反対のプロパガンダ」
Xenophobic groups have also rallied in the city’s downtown area and around city hall, using a propaganda vehicle to blare out their opposition.
武蔵野市の住民投票条例案に関して、朝日新聞英語版は外国人にも投票権を付与する内容が含まれていたことについて重点的に報じています。
否決後の報道内容は他の国内報道と同じですが、特徴的な記述があります。
それが「ゼノフォビア=外国人恐怖症(外国人排斥者のニュアンスで使われることが多い)の集団が市役所の周辺や市街地に結集し、プロパガンダ用の車両を用いて反対の声を上げた」という記述。
おそらく日本第一党シンパらの活動のことを指して言っているのだろうが、反対の声を示していたグループは他にもおり、彼らは街宣車を使っていない。
この記述は本会議の採決日である12月21日に限った文脈ではなく、武蔵野市が11月に条例案を発表した後のことについて語っており、たとえば和田政宗議員のように街頭演説という形で反対活動をしていた事についても認識していることが伺えるものもあった。
しかし、それに対する著しい妨害行為があったことは日本語版・英語版メディアともに一切伝えていない。
「武蔵野市住民投票条例案撤回を求める」街頭演説。私に演説をさせないようヤジやスピーカーで声をかぶせてきた人達がいたが、神奈川新聞石橋学編集委員は「表現の自由だ」と擁護。政党活動や政治活動を力で阻止しようとする勢力を擁護。民主主義への冒涜であり重大な挑戦。神奈川新聞はどう考えるのか pic.twitter.com/GDMDtWEiNh
— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2021年12月5日
「武蔵野市住民投票条例案撤回求める」街頭演説での私に対するひどい妨害。
様々な方がその様子を投稿。
政党活動、政治活動としての演説を力で封殺しようとする「民主主義への冒涜と挑戦」を、神奈川新聞・石橋学編集委員が擁護。
実力で言論を潰すのは過激派が取る手法だがhttps://t.co/7IimujtQwJ— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2021年12月6日
今週の『和田政宗の本音でGO!』でも、外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ条件で投票権を認める武蔵野市の「常設型住民投票条例案」の問題点について解説。
神奈川新聞石橋学編集委員による、妨害活動への擁護と取材の酷さについても明らかにしています。
ぜひご覧くださいhttps://t.co/koRBrxcixD
— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2021年12月10日
数々の問題点が指摘される武蔵野市の住民投票条例案について、毎日新聞・後藤由耶記者のジャーナリズムにあるまじき脅迫的取材手法など、この条例を通そうとバイアスをかけている一部メディアの異様な状況を、YouTube『和田政宗の本音でGO!』で解説しています。
ぜひご覧を!https://t.co/Jur9ywWDtM
— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2021年12月15日
なお、当然(?)、議員の反対派も立ち現われ、反対派の署名が6000筆(武蔵野市民は4200筆程度)・ネット署名が19455筆集まり、市議会での陳情(否決された)に付されたことは華麗にスルーされています。
朝日新聞英語版社説「外国人が日本の国益を害する可能性という誤解」
Debate is fundamentally important, naturally. But some of the opponents put up arguments based on misunderstanding or twisted interpretations. The most extreme examples included the contention that the proposal could enable foreign nationals to harm Japan’s national interest. Another was that the measure could be unconstitutional on grounds it would give suffrage to foreign nationals.
12月18日には長文の社説まで書いていた。
「反対論には誤解や捻じれた解釈があった」として、「外国人が日本の国益を害する可能性」や「外国人にsuffrageを与える」といった主張を対象にしています。
前者はその可能性を考えることがまったくおかしいとは言えないでしょう。
なぜなら、住民投票の結果に法的拘束力が無いとしても、「実質的な拘束力(※武蔵野市住民投票条例逐条解説上の用語法)」=「事実上の拘束力」が発生することは当の武蔵野市行政が認めているからです。
関連して「当然の法理」によって外国人が公権力の行使等をする公務員の要職に就くことは禁止されているが、これは国家運営が外部者から妨害を受けないようにするために設けられているものなのだから、住民投票においても外部からの妨害となり得る事案について外国人の投票資格を排除することは同じ論理が使えるだろう。単に法的な拘束力の有無で適用の有無を切り分けて良いものではない。
「外国人が数万人も移住することなんてありえない」などと言われますが、投票の結果を覆すに至るまでの人数に達せずとも、それなりの人数が集まれば「圧力」になることは普段の政治を見ていれば明らか。
また、北朝鮮国家が崩壊すれば数百万人が難民として日本国に押し寄せてくる可能性が指摘されているが、そうなったら?如何に可能性が低かろうとも常にそうした事態に備える思考方法は絶対的に正しい。仮に日本の多くの自治体で外国籍者の住民投票権が設けられれば、それ自体が外国にとっての【外交資源】となる。
「そんなことはあり得ないだろう」と思われていた状況が2020年1月末から全世界で発生しているじゃないですか。それに対応するにあたって現行法では不具合があったから改正もしたが、なお不十分さが残り、解釈負荷がかかっている。「外国人に投票権を付与しない事」は、平時のコストがかかるような話ではない。
※”suffrage”は参政権が標準だろうが、特に選挙権を意味して使われることがあるようです。
※「参政権」は日本の法体系上の用語ではなく法学的整理概念であり、選挙権・被選挙権が中核を成し、公務員の選定・罷免権も含まれる。憲法改正の国民投票・最高裁判事の国民審査・法令上の住民投票(リコールなど)もこれに含める立場があり、更には公務就任権・請願権・選挙活動の自由も参政権に含める理解がある。「法的拘束力が無い住民投票だから参政権ではない」と整理するのは勝手だが、そうでないからといって「一般人に誤解」が生じるとは言えないだろう。
朝日新聞英語版社説「武蔵野市の外国人住民投票条例案が違憲違法ではないのは明らか」
There is no good reason to question the constitutionality of the measure. In 1995, the Supreme Court ruled that the Constitution does not prohibit giving the right to vote in local elections to permanent foreign residents who have “especially close relations” with the local administrations in the areas in which they dwell. The top court said this is a legislative policy question that should be sorted out by the legislature.
Given this Supreme Court decision, it is obvious that allowing foreign residents to vote in local referendums that are not legally binding does not violate the Constitution or any other law.
朝日新聞英語版社説では、「法的拘束力の無い武蔵野市の住民投票において外国人に投票権を付与することが違憲違法ではないのは明らか」とまで言い切っています。
その根拠として1995年の最高裁判決=最高裁判所第三小法廷判決 平成7年2月28日 平成5(行ツ)163 民集 第49巻2号639頁を挙げています。
これは【我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて…法律をもって…(地方)選挙権を付与…することは憲法上禁止されていない】という傍論の判例規範性が問題になっているものです。
しかし、朝日新聞の英語記事では「法律をもって」の部分が抜けている。
さらに上掲の判例は選挙権についての判示であり、法的拘束力の無い住民投票については直接的には何も語っていない。したがって、そこから直ちに武蔵野市の条例案が違憲違法ではないことが明らか、とまで言及するのは論理飛躍も甚だしい。
朝日新聞英語版は武蔵野市の住民投票条例に関連した記事を11月以降にUPしているが、最高裁判決の内容を意図的に削って紹介することが何度もありました。
違憲違法であるとも言い切れないが、違憲違法ではないとも言い切れない。
確かに、違憲違法であるとも言い切れないが、違憲違法ではないとも言い切れない。
少なくとも常設型の条例が成立しただけでは違憲と言えないだろうが、住民投票の対象となる事案によっては違憲となる虞があるというのは私見であり内閣法制局も同旨。
以下で他の判例論理との関係からどう考えられるかを書いています。
その上で、私見は常設型の条例で外国人に投票権を付与することには反対。
条例案反対論を「人種差別スピーチ・外国人恐怖症の主張」と過激な攻撃までする朝日
It is odd to see Musashino’s proposal being singled out for attacks, including those based on totally nonsensical arguments like the warning that China could control the municipal administration by relocating 80,000 Chinese to the city so that Chinese residents outnumber Japanese citizens. Racist speeches are often heard on the streets of the city.
Such xenophobic sentiments in a country that is seeking to accept more foreign workers to maintain its economic activity will only prove detrimental to its society.
朝日は外国籍者の例として中国人が8万人移住した場合を想定した議論を「人種差別スピーチ」としているが、国籍による扱いの差は合理的なものであれば人種差別撤廃条約上の人種差別ではない。
「自分のことは自分で決める」という独立性の観点からの反対までもが、すべて人種差別の文脈として捉えられることになり、実態を反映していない。
神戸市中学校の社会科教材「外国人参政権が無いのは差別」と反日偏向 – 事実を整える
そして、ここでもゼノフォビックセンティメンツ=外国人恐怖感情(外国人「排斥」感情という用語法だろう)という強いワードを使っているが、反対論者をこうやってレッテル貼りして攻撃する論調を新聞紙面で展開するのはどういうことだろうか。
仮に産経新聞が朝日新聞を「日本人嫌悪症の新聞」と紹介したら抗議するでしょう。
むしろ松下市長が住民投票条例の制度趣旨として【住民自治の推進】を謳っておきながらパブリックコメントでも争点となった外国人への投票権付与について市民への情報提供を怠っていたことから、その目的に重大な疑義が生じているのだが、決してそういう視点で分析されることはないのだろう。
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