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Katie Haun(ケイティ・ハウン)氏がNFT(非代替性トークン)の支持者であるということは驚きではない。元連邦検察官で、現在はAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ / a16z)で強力な暗号化の実践を共同で先導しているこの人物は、少なくとも2018年にa16zがDapper Labs(ダッパー・ラブズ)を最初に支援したときからこの技術についてを学んでおり、今ではかなり貴重な存在となっている。

バンクーバーに拠点を置くDapper Labsは当時、CryptoKitties(クリプトキティ)と呼ばれる収集可能なデジタル猫ゲームで知られており、暗号コミュニティ外の人々を困惑させていた。2021年Dapperはブロックチェーン上でNBA Top Shot(NBAトップショット)という、スポーツファンがコレクション性の高いハイライトクリップを売買できるサービスを提供したことでブレイクしたが、むしろこれも全体の構想から見ればマイナーなユースケースであると、先に筆者が主催したサンフランシスコのイベントでハウン氏は話している。

広範囲をカバーした今回のインタビューで、ハウン氏は、現在集中しているNFTのユーザー層がこれから爆発的に増えると同氏が考えている理由を説明し、またNFTを収入源にしている比較的少数のクリエイターのみがNFTの恩恵を受けているという考えを否定した。また、a16zが導入した技術革新により、同社の暗号化投資の75%を占めるトークンを20%割引で購入できるようになった仕組みを説明し、さらには2019年にa16zが行ったように、すべてのベンチャー企業が登録投資顧問になるべきか否かというトピックについても話してくれた。以下では長さを調整するために編集を行っている。また、以下にフルインタビューを掲載している。

TC:a16zがNFTへのさまざまな期待について投資家に伝えていること、そして今後の筋道について。

根本的にNFTは、消費者やコンテンツ制作者にとって、インターネットのビジネスモデルを劇的に変えるものだと思っています。なぜ消費者にとって重要なのか?例えば今「Fortnite(フォートナイト)」のスキンを買ったとして、それなのに後にこのゲームがなくなったらどうでしょう。……しかしそれでは、自分のアイテムなどを別のプラットフォームに持っていくことができ、どこでも使うことができたとしたらどうでしょうか。これは消費者にとって非常に大きな力となります。消費者の手に直接パワーが戻るのですから。

また、コンテンツ制作者にとってもすばらしいことです。デジタル上の希少な商品であるトークンをプログラムすることで、今後のすべての取引において金銭的利点を得ることができるからです(そしてその過程で30%を取る中間業者を排除することができます)。これがクリエイターの経済にどんな影響を与えるか想像してみてください。今はデジタルアートに注目が集まっていますが、2022年の今頃は音楽の世界でどのような障壁が取り除かれるのかという話になっていると思います。

ハウン氏は現在、音楽関連のNFTに注目しており、シンガーソングライターのBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)を例にミュージシャンとNFTの間にどんな可能性があるか(場合によっては、すでに起こっているか)を話した。

ビリー・アイリッシュは当初インターネット上で一部のファンによって発掘されました。しかし、彼女を有名にした初期のファンたち、つまり彼女の本当のファンたちは、彼女のスターダムを共有できたでしょうか?まったくできていません。実際、彼女のスターダムを共有できなかっただけでなく、彼女がブレイクしたことで彼らの状況は悪化したと言えるでしょう。チケットの値段が上がり、スタジアムには長蛇の列ができ、コンサートは完売です。ところがもし、彼女を発見し、初期の彼女の成功に寄与した人々が、NFTやスマートコントラクトを通じて、ビリー・アイリッシュの成功に関連する何かを保有していたとしたらどうでしょうか。例えば、彼女がSpotifyに曲を録音した後に、関連するスマートコントラクトNFTを作成し、そういったファンにライブへの永久アクセス権を与えたり、彼女と一緒にツアーに参加したり、あるいは将来的に彼女のロイヤリティの一部を受け取れる権利を与えたりすることが考えられます。これで突然、レコード会社や弁護士、中間業者だけでなく、ファンも経済的な利益を共有することになります。

Twitch(ツイッチ)ではわずか1%のストリーマーが収益の半分を占めているというデータが流出したが、少数の人のみが経済的な利益を得ることができるようになっており、クリエイターにとっては、結局は現在と同じような経済状況になるのかというトピックについて。

2021年11月11日に開催されたStrictlyVCのイベントに登壇したケイティ・ハウン氏(画像クレジット:Dani Padgett)

これらのビジネスモデルは、まだ非常に初期の段階にあります。しかし、暗号化アーキテクチャの分散型システムについては、これで生計を立てられることがわかっており、このことはNFTですでに見られています。Beeple(ビープル)になって大金持ちにならなくても、生計を立てることは可能です。私はNFTをいくつか所有していますが、その中には、OpenSea(オープンシー)で買った、仕事を辞めてデジタルアートをプログラミングしている女性アーティストのものも含まれています。彼女はスマートコントラクトをプログラムしていて、私がこれらのNFTをあなたに販売したら、彼女はその販売額の一部を受け取ることができます。そしてあなたがそれを別の人に販売して、高い価格で評価されたら、彼女はその販売額からロイヤリティを受け取ることができるのです。

米国人の多くが生活費の支払いに苦しんでいる中、NFTは一部のお金に余裕のある購買層を中心に普及しているという認識を我々は持っている。この点についてハウン氏は、NFTが金持ちの道楽だと思われているのはもっともだが、この技術はまだ始まったばかりだと説明する。

NFTに関して言えばイノベーションの現状を、最終状態として判断しないことがとても重要だと思っています。おっしゃることはよくわかりますし、私自身もそういった現状を目にしています。しかしそれは物理的な世界でも同様で、ステータスシンボルという点では多くの米国人が苦労している一方で、高級車やロレックスを買える人がいるという状況が起きています。そのためデジタル界も大差ないでしょう。物理的な高級品があるように、現実の世界にも人々が所有したいと思う一般的な商品があり、そうしたより一般的な商品がデジタルの世界でも増えていくようになるのではないでしょうか。

ある時点から、話はa16zのディールフローに転換した。Coinbase(コインベース)とOpenSeaの2つの取締役会に在籍しているハウン氏は、そのおかげで暗号の世界で何が、誰が盛り上がっているのかをよく見ることができると説明する。

この世界の中心にいることができ、とても恵まれていると思います。私たちはエコシステムの最前列に座っていますが、それはChris Dixon(クリス・ディクソン)氏と私の2人が、長年にわたってCoinbaseの取締役を務めてきたからです【略】Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)も運営されていますが、【略】Coinbase Venturesに売り込みにこない暗号化プロジェクトはほとんどありません。私はOpenSeaでも現在役員を務めていますが、彼らは記録的な取引量を達成し、世界最大のNFTマーケットプレイスになった他、ベンチャー投資も行っています。このようにこの分野の大物たちとのつながりがあるだけで、彼らが取引をすることで、我々にも取引の流れが作られているのです。

当然暗号は非常にグローバルなものであり、現時点で我々はまさにグローバルな存在になっています。直近の暗号化ファンドでの投資のうち、少なくとも50%は海外からの投資だと思います。しかしだからこそ「CoinbaseやOpenSeaの役員を務めているから大丈夫」などと安心していてはいけないのです。多くの創業者がAndreessen Horowitzの名前を聞いたことがないような、さまざまな国の、さまざまなプロジェクトに対してオープンマインドでいなければなりません. . .私たちはここにいることが当たり前だと思っていますが、世界の他の地域の人々は私たちのことを聞いたことがないのです。私たちの価値を知らないのです。

場合によっては飛行機に乗らなければならないこともあります。Kiva(キヴァ)やMercy Corps(メルシー・コープス)のようなNGO、Deutsche Telekom(ドイツテレコム)のような企業、Stanford(スタンフォード)やBerkeley(バークレー)のような大学やイスラエルのTechnion(テクニオン)大学をはじめとする世界中の多くの大学など、世界中の参加者に当社のプルーフオブステークシステムを委ねるデリゲートプログラムも開拓してきました. . . これまですばらしい取引が行われてきたからといって、それが今後も続くと期待して甘んじているわけではありません。暗号化投資家の市場は確実に拡大しています。

同社が店頭での直接取引を含むトークンへの投資を多く行っている理由についても話が出た。そのような取引において、a16zが何らかの優先的な地位を得ているのかどうか、またCoinbaseやOpenSeaのような従来の株式取引から会社がシフトしていった理由は何なのか、そして、こうした取り決めに反発し始めたのは、暗号化の創業者たち自身なのかどうかについても質問した。以下はそれに対するハウン氏の答えである(ハウン氏は株式取引が完全になくなったわけではなく、より多くのVCが株式取引を求めて競争を始めたために価格が高騰したのだと指摘している)。

もし優先的なレートを提供してくれる店頭窓口を知っているなら教えて欲しいものです。店頭の場合我々はその場で買っているだけで、特別な扱いは受けていません。どちらかというと. . .すべて店頭取引になってプロトコルの創設者は我々が投資家であることさえ知らないというような市場にはしたくないという意識が強いですね。

また、プロトコルが特定のベンチャーキャピタルの投資家を希望する場合もありますが、これは急速に変化しているので機敏に対応する必要があります。プロトコルの創設者が私たちの参加を強く望んでいた場合、実際に3年前、トークン環境の初期段階で私たちに割引をしてくれました。しかしこれは暗号化のエコシステムでは非常に不評でした。なぜVCの投資家がコミュニティよりも割安にならなければならないのか、と。

その懸念を払拭するために「それならロックアップをしてください。私たちは7年〜10年を見据えられる忍耐強い投資家であり、暗号化ヘッジファンドを運営しているわけではありません」と提案したわけです。例えばもし20%の割引を欲しいとしたら、その代わりに4年間、場合によってはそれ以上、それ以下の間ロックアップされることになるかもしれません。これは、私たちがさまざまなトークンディールにもたらした1つのイノベーションです。しかしロックアップと引き換えに割引を受けたプロトコルのため、私たちはたくさんの仕事をしてきたのです. .

この質問は重複するが、同氏がOpenSeaとCoinbaseの両方の取締役に就任していることについても質問が投げられた。その意図は、OpenSeaはNFTマーケットプレイスであり、暗号資産取引所のCoinbaseも最近NFTマーケットプレイスのようなものを作る計画を発表しているため、この2社が衝突しかねないのではないだろうか、というものだ。実際、CoinbaseのCEOであるBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏は先週の決算説明会で、NFTの市場は同社の暗号資産事業に匹敵するか、それ以上の規模になる可能性があると考えていると述べている。

ハウン氏はどのようにしてこの複雑な状況をやりのけているのか、さらにはCoinbaseがOpenSeaを買収するのではないかと質問すると、2つ目の質問に対しては首を横に振り、2社の衝突について次のように説明した。

それは悲観的な見方ですね。私は両者が衝突しているとは思っていません。まず第一に、Coinbaseがどのような計画を立てているかはまだ発表されていません。NFT分野で何かをすることを検討していると発表しただけで、それが何になるのかはまだわかりません。

ブライアン・アームストロングが数年前に言っていたことを覚えていますが、取引スペースに競合他社が参入し始めたとき、彼は「これはすばらしい」と言っていました。私は自分が何を見逃しているのか疑問に思ったところ彼は「これはパイが大きくなっている証拠です。大きなチャンスであり、他の人もそれに気づいているんです」と言ったのです。

同様にNFTの領域は非常に巨大なので、多くのプレイヤーが活躍できる余地があると思っています。私はこの領域で活躍する最先端の企業2社の役員を務められることを大変幸運に思っています。両社が衝突しかねないなどとは思いません。もちろん、もしそのような展開になったり、エコシステムがそのように進化したりした場合、元連邦検察官として私が対処しなければならないことになるでしょう。

暗号の創始者たちに注目されたければ、ベンチャー企業は登録投資顧問になる必要があるかどうかという質問についてハウン氏は明言を避けたものの、理に適っているのではとほのめかす。

暗号化専用ファンドはすべてRIAとして登録されています。今では多くのファンドが存在していますが、すべてRIAとして登録されているのです。規制状況が非常に不確実な今、トークンを保有したいのなら賢明なことでしょう。

画像クレジット:Dani Padgett

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)