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長崎県など複数の工場で長年にわたり製品の検査の不正が行われていた、三菱電機は、当時の幹部の経営責任を明確にするため、漆間啓社長の報酬を減額するなど、12人の処分を決めました。

三菱電機は、長崎県など複数の工場で長年にわたって製品の検査不正などが行われていたことが明らかになり、当時の会長と社長の経営トップ2人が引責辞任しました。

一連の不正をめぐっては、外部の弁護士でつくる委員会が経営陣の責任について調査を進め、23日公表した報告書で、漆間社長については「品質不正事案を洗い出そうと積極的に活動した形跡もない」と指摘しました。

また、柵山正樹前会長と杉山武史前社長についても、主体的に社内の点検に関わっていなかったなどとして「極めて重い経営責任を負う」と厳しい見解を示しました。

これを受けて会社は23日、経営責任を明確にするため、不正が行われていた部門の幹部だった12人の処分を決定しました。

このうち漆間社長は報酬の月額の50%を4か月分、減額するとしています。

また、柵山前会長については報酬の月額の50%を6か月分、自主的に返納するよう要請するほか、杉山前社長にも報酬の月額の50%を6か月分、さらに退職金にあたる退任慰労金の一部も、自主的に返納するよう要請するとしています。

会社は、今後も新たな不正が明らかになった場合は処分を検討するとしています。

漆間社長「真摯に受け止めたい」

漆間社長は、新たな検査不正などを指摘した調査報告書がまとまったことを受けて23日午後、会見を開き、みずからの責任について「真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた上で、今後も社長として先頭に立って信頼回復の取り組みを進めていく考えを強調しました。

このなかで漆間社長は、一連の検査不正について「多くの皆様に多大なるご迷惑をおかけし、改めて深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

また、23日公表された調査報告書で、検査の不正だけでなく発電設備で設計ミスがあり、人命に関わる事故が起きる危険もあったと指摘されたことについて、漆間社長は「極めて深刻な問題ととらえている。安全リスクへの感度不足や緊張感の欠如、それに問題認識の甘さがあった」と述べ、安全性に対する意識が足りていなかったという認識を示しました。

一方、今回の問題をめぐる経営陣の責任を検証した別の報告書で、みずからの対応を「品質不正を洗い出そうと積極的に活動した形跡もない」と指摘されたことについては「不正を出し切れなかったことはじくじたる思いがある。真摯に受け止めたい」と述べました。

漆間社長は「失墜している信頼を回復するために身を粉にして取り組みたい」と述べ、今後も社長として先頭に立って再発防止の取り組みを進めていく考えを強調しました。