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ケーニグセグからの新しいハイパーカー、ジェスコは、2022年春から納車される。充実した2年間を経て、ケーニグセグ ジェスコはほぼ完成した状態となった。1600馬力のハイパースポーツカーの、最初のカスタマーカーは、2022年の初めには納車される予定だ。

ケーニグセグには大きな魅力がある!
2019年、スウェーデンのブランドは、1600馬力のハイパースポーツカー、「ジェスコ」をジュネーブモーターショーで発表した。
それから約2年半が経過した今、最初の走行できるプリプロダクションモデルが完成し、同社の創業者であるクリスチャン フォン ケーニグセグ氏によれば、2022年春に予定されている生産バージョンに非常に近いものだと言う。
以下に、「ジェスコ」のスペシャルフィーチャーを紹介する。

2019年のジュネーブモーターショーでは、クリスチャン フォン ケーニグセグ氏の父親の名を冠した、「ジェスコ」が主役となった。
一から作り直した、新しいハイパーカーで、自社開発の5リッターV8ツインターボを搭載し、フラットプレーン型のクランクシャフトを採用し、レブリミットは8,500rpmとなっている。
ケーニグセグは、レギュラーガソリンを使用した場合、1.7気圧で1280馬力の出力を発揮する。
E85の燃料と2.2バールのブースト圧との組み合わせでは、「ジェスコ」は1600馬力と1500Nmの最大トルクを後輪に伝達するという。
同時に、「ジェスコ」は、日常的な使用も可能と言われている。
ベース価格が約280万ユーロ(約3億6,400万円)もする、ハイパースポーツカーではあるが、日常的な使用にも一応適していると言えるだろう。
インテリアには、2つのカップホルダー、グローブボックス、いくつかの収納スペース、Apple CarPlayを搭載した、最新のインフォテイメントシステムを備えているからだ。

4.76メートルのジェスコ アタックの重量は、わずか1,320kgとのこと。

一度に数段のシフトダウンが可能なLSTトランスミッション

「ジェスコ」の技術的なハイライトは、「LST」トランスミッションだ。
「LST」とは、「Light Speed Transmission」の略だ。
この名前がすべてを物語っている。
わずか90kgと、一般的なDKGよりも、大幅に軽量であると同時に、ケーニグセグが開発した、世界最速と言われる9速トランスミッションを搭載している。
その「LST」のハイライトは、「Upod(Ultimate performance on demand=究極のパフォーマンスオンデマンド)」機能を使うことにより、一度に複数のギアを遅滞なくシフトダウンできることだ。
そのシステムは、技術的には非常に複雑でまだ不明な点も多いが、実際に運転してみると簡単に実現できるようだ。
少なくとも、ケーニグセグのボスが実際に運転、加速しているビデオでは、そのように映っている。

※ケーニグセグ ジェスコのファーストテストドライブの動画

125台のみ生産されるジェスコモデル

プロトタイプの開発が完了した今、生産バージョンの準備が整うまでには、わずかな変更しか予定されていない。
合計で、125台の「ジェスコ」のみが製造されるが、2019年からの生産分は、驚くべきことに、すでにすべて完売している。
購入者は、ドイツで約280万ユーロ(約3億6,400万円)となる、レーストラック用の「ジェスコ アタック」と、4シーターの「ゲメラ(Gemera)」とともに、2020年に発表される一般路上用の、「ジェスコ アブソルート」(345万ユーロ=約4億4,850万円)のどちらかを選択できるようになっている。
「ジェスコ アタック」の、最初のプリプロダクションカーは、初期の「CCR」モデルへのオマージュである「タングオレンジパール」というカラーで塗装されている。
結局のところ、2000年代初頭には、ケーニグセグが生産する車両の半数近くがオレンジ色だった。
この傾向は、ここ10~15年で変わり、今ではケーニグセグをビジブルカーボンでオーダーするお客様が増えている。
色や仕上げにもよるが、その追加料金は20万~40万ユーロ(約2,600~5,200万円)となる。

ジェスコのインテリアのハイライトは、ステアリングホイールに取り付けられたスクリーンだ。

ステアリングホイールに取り付けられたスクリーン

4人乗りの「ジェメラ」の量産モデルが発表されるまで、「ジェスコ」は、ケーニグセグ史上、最も広い室内空間を持つと言われている。
先代の「CC」や「アゲーラ」に比べて、ジェスコには多くの新機能が搭載されている。
例えば、スウェーデン人は、ステアリングコラムのレバーを廃止し、すべての機能をステアリングホイールに設置した。
そして、そこにはもうひとつの革新がある。
通常の計器の代わりに、ステアリングホイールに取り付けられたチルトセンサー付きのスクリーンによって、ドライバーはすべての関連情報を、直接見ることができるようになっているのだ。
ケーニグセグが、「ジェスコ」の最初の量産車を納車する2022年春には、オーナーはそのドライビングを楽しむことができるだろう。

久しぶりのケーニグセグの話題だが、いよいよパワーのインフレも1,600馬力にまで達し、価格も3億6000万円と4億5000万円で、さらに5,000万円くらいのオプションも選択できると、そういう気持ちいいほど大きな数字がならぶ話題である。
ここには世の中に蔓延するEVとか、プラグインハイブリッドモデルや、コロナウイルスという言葉は一切登場せず、堂々と内燃機関の魅力と価値を詠い続ける、そういう、ある意味、気持ちいいほど振り切った世界だ。正式デリバリー前に、125台がすでに売り切れという景気の良さにも驚くが、世の中には桁違いのビリオネアも多いということだろう。そして彼らは、日常的にケーニグセグをガンガン乗り回す、ということはおそらくないと推測され、ほとんどは、コレクションのためにガレージに並べられるのであろうから、別にEVでもプラグインハイブリッドモデルでなくとも、まったく問題はなし、そういうことなのだろうと思う。
AUTO BILDの楽しいコンテンツ作りのためにも、ケーニグセグにはまだまだ行けるところまでガンガン行ってほしい(笑)。

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Koenigsegg