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1. 2021年度補正デジタル予算は2.8兆円――日経コンピュータが集計

 日経コンピュータの集計によると、2021年度補正予算(案)において「主なデジタル関連項目の総額は2兆8616億7100万円と、過去最大の規模」の達したという(日経XTECH)。

 このうちの6割強の約1兆8000億円はマイナポイント事業の原資であり、それ以外では通年予算並みの1兆円強になるとして「補正予算としては異例の規模」だと述べている。項目としては、「デジタル田園都市国家構想に伴う地方への支援」「中小企業のデジタル化支援」「量子など先端技術の研究開発」などが増額されている。詳細については記事には表形式でまとめられているので参照をしてほしい。

 こうした予算を背景として、さらに具体的なデジタル化の推進が行われていくものとみられ、2022年1月以降も動向には注目が集まる。

ニュースソース

  • 21年度補正デジタル予算は2.8兆円 マイナポイントだけでない増強点[日経XTECH

2. デジタル庁が「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」をリリース

 デジタル庁は予告していたとおり、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」をリリースした(ケータイWatch)。iPhoneやAndroidを搭載するスマートフォンの対応機種でマイナンバーカードを読み取ることでワクチン接種証明書を画面上で表示(=取得)できるようになる。さらにパスポートをカメラで読み取ることで、国際的にも通用する仕様の接種証明書も発行できる。

 これまでのところ、おおむねスムーズに登録作業ができ、さらにユーザーインターフェースに対してもユーザーからの不満は少ないようだ。ただし、「旧姓併記」への対応は今回のリリースには間に合わなかったようで、2022年の1月中に対応すると牧島デジタル大臣が述べている(ケータイWatch)。また、一部ではマイナンバーカードの読み取りでエラーになるケース(ケータイWatch)やシステム障害の発生(ケータイWatch)なども報告されているが、大きな問題には発展していない模様だ。なお、リリース後に国際版の証明書での姓と名の表記順序について、仕様の変更が行われ、アプリを更新のうえで、再度の証明書の取得手続きをする必要がある(Impress Watch)。

 今後の課題としては、この証明書をどのように利用していくかということだ。国としては発行するところまでの役割で、その用途については各産業などでの工夫が求められるところだが、ワクチンの接種を受けたくても、健康上の理由から受けられない人などが不利益とならないよう良識をもった対応を求める声などもあり、一気に取得者向けキャンペーンに発展させるのではなく、その運用は慎重に行われるのではないかとみられる。それよりも喫緊の課題としてはオミクロン株の市中感染が報告されていることから、基本的な予防対策をいまいちど確認すべきタイミングでもある。

ニュースソース

  • エラーが出たら時間をおいてもう一度操作を、デジタル庁がワクチン接種証明書アプリで案内[ケータイWatch
  • デジタル庁の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」が登場、5分で発行完了[ケータイWatch
  • ワクチン接種証明アプリ、対応している市町村は?[ケータイWatch
  • ワクチン接種証明アプリで20日昼に障害、現在は解消済み[ケータイWatch
  • ワクチン接種証明書アプリ、iOS版を更新。ローマ字の姓・名表示順を修正[Impress Watch
  • ワクチン接種証明書アプリの「旧姓併記」対応は22年1月中に、牧島デジタル大臣[ケータイWatch

3. 2021年を数字で振り返る

 2021年上期の情報通信サービスの状況を示す統計や調査結果が公表されている。ポイントはモバイルサービスの安価な料金プランがどう影響したかということと、継続するコロナ禍によるテレワーク需要がどう影響しているかだろう。

 総務省は2021年9月末の電気通信サービスの契約数・シェアを公表した(ケータイWatch)。それによると、4G LTE契約数は1億4633万(前期比2.2%減、前年同期比8.1%減)で、携帯電話の契約数に占める割合は73.9%、5G契約数は2922万(前期比30.2%増、前年同期比2843万件増)となっていて、5Gへの移行が順調に進んでいる。

 MM総研は、2021年9月末時点の国内MVNO市場に関する調査結果を発表した(ケータイWatch)。それによると、「独自サービス型SIM」の回線契約数は1239.5万回線で、前年同期比で19.3%減となり、2021年3月末の調査に続き、二半期連続で前年同期を下回った。これは、MNOのサブブランド(ワイモバイルとUQ mobile)の契約数比率が上がったこと、大手キャリアのオンライン専用プランのサービス開始が要因で、「MVNOにとっては厳しい市場環境」としている。ただし、この後はIoTへのニーズなどを踏まえ、拡大の可能性を指摘している。

 MM総研はまた、2021年度上期(2021年4月~9月)における「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査」の結果を発表した(INTERNET Watch)。2021年9月末時点でのFTTH(光回線サービス)契約数は3601.4万件で、2021年3月末から100.1万件増加した。増加の要因はテレワーク需要と、ADSLサービスの終了に伴う移行が含まれるとしている。

ニュースソース

  • 2021年9月末で5G契約は2922万件に、総務省が発表[ケータイWatch
  • 2021年上期の「FTTH」契約数は100万件超えの純増、テレワーク需要が継続[INTERNET Watch
  • MM総研、9月末時点での国内MVNO市場調査の結果を発表[ケータイWatch

4. 総務省で検討する電気通信事業法の改正について懸念を表明――新経済連盟

 新経済連盟は総務省で検討が進められている電気通信事業法の改正について懸念する声明を発表している(ケータイWatch)。

 声明によると総務省は「通信の利用者情報の保護の強化」を名目として、「次期通常国会に電気通信事業法の改正案を提出」する方向だが、「ネットを利用する企業やデジタルサービスに対しての広範な規制は、今後のDX化でさらに多くの企業が電気通信事業法の規制対象となるため、IoTやM2Mのデータ流通に大きな影響を及ぼす」と指摘している。

 具体的な懸念点を4つ挙げていて、「ネット利用企業やデジタルサービスに対し広範な網をかけるような規制強化である」「二重規制や過剰規制をもたらす」「国際的にも極めてガラパゴスな規制である」「非公開の会合で議論が進んでいる」としている。

 国際的な位置付けとしてデジタル化に消極的ともされる日本のイメージから脱却するためにも、まさに官民を挙げての急速なデジタルトランスフォーメーションも進むなか、情報漏えいや不正なアクセスを疑わせる事案なども発生していることから、2022年は年初から健全なデジタル社会のを作るうえでのバランスをどう取るかという議論が活発になると予測される。

ニュースソース

  • 新経済連盟、電気通信事業法の改正に懸念表明――「深刻な負担でDXを阻害」[ケータイWatch

5. 電子出版アワード2021のジャンル賞が決定、大賞は「ビジョン2021-2025」――日本電子出版協会

 日本電子出版協会は2021年度の電子出版アワードを発表し、下記の5つが選ばれた(JEPA)。

  • デジタル・インフラ賞:「ビジョン2021-2025」(国立国会図書館)
  • スーパー・コンテンツ賞:「会社四季報 業界地図デジタル」(株式会社東洋経済新報社)
  • エクセレント・サービス賞:「ピッコマ」(株式会社カカオピッコマ)
  • チャレンジ・マインド賞:「FanTop」(株式会社メディアドゥ)
  • エキサイティング・ツール賞「:NRエディター」(株式会社ボイジャー)

 さらに、これらの各賞受賞社の中から、大賞として「ビジョン2021-2025」(国立国会図書館)が選ばれた。

 長らく出版業界は「出版不況」とも呼ばれる苦境にあり、書店の数も減少してきていることが指摘されている産業である。しかし、近年では、電子コミックによって新たな売上の創出が行われ、出版産業全体としては回復期に入っているといえる。さらに、今年はNFTなどの新技術を商業出版物へ適用する取り組みも積極的に行われていて、決して他から後れをとっている産業ではなくなっている。加えて、こうした商業出版だけでなく、国立国会図書館でもデジタル化への取り組みは活発であり、それが今回の大賞の受賞へと結び付いたようだ。

ニュースソース

  • 日本電子出版協会 電子出版アワード2021(第15回)ジャンル賞決定、大賞は「ビジョン2021-2025」![JEPA