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 テレワークが定着したINTERNET Watch編集部では、それぞれの住環境の中で、仕事環境を改善すべく日々工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。


ノートPCも充電できるAnkerのモバイルバッテリーを試す

 出先でノートPCのバッテリーがなくなって困ったことはないだろうか? 先日久しぶりのリアル取材に行った際に、ノートPCの充電を忘れていてヒヤヒヤしながら取材をすることがあった。

 コロナ禍以降、取材もオンラインで行われることが普通になったが、最近では少し落ち着いてきたことで、リアルに対面しての取材も行われるようになってきた。先日久しぶりのリアル取材があったのだが、そこでやらかしてしまったわけだ。取材の際には持ち運びやすいモバイルノートPCを使うのだが、久しぶりの出番となったそのノートPCの充電をすっかり忘れていた。

 幸い、その日のインタビューは短時間で終わったので事なきを得たのだが、バッテリー残量と残りのインタビューの時間を気にしながら取材するのは気が気ではなかった。久しぶりのリアル取材で名刺など忘れないように気をつけていたのだが、まさか充電を忘れるとは。

 そこで今回はAnkerのUSB PD(Power Delivery)対応モバイルバッテリーを購入してみることにした。

 スマホの充電などで重宝するモバイルバッテリーだが、最近はUSB PD給電が可能でノートPCを充電できるようなものも存在するのだ。筆者の使っているLenovo Thinkpad T480sはUSB PD充電に対応しているので、そうしたモバイルバッテリーがあれば移動中の電車の中でも充電ができる。

 ただし、USB PD充電できると言っても、20Wなどの出力ではPCの充電には使えない。純正の充電器が65Wなので理想は65W以上、ただし60Wでも充電できることは確認済みなので、60W以上のものを探してみた。

 探してみると意外とあるもので、Anker PowerCore IIIのシリーズだけでも3つのモデルが見つけられた。

 まず容量が2万5600mAhのモデルで「Anker PowerCore III Elite 25600 85W」と「Anker PowerCore III Elite 25600 60W」。この2つはほぼ同サイズながらUSB PDの最大出力が85Wと60Wというのが一番の違いとなる。そしてもう1つの「Anker PowerCore III 19200 60W」は、その名のとおり1万9200mAhで、サイズは少しコンパクト、USB PDの最大出力は60Wとなる。

 なお、記事執筆時点では「Anker PowerCore III Elite 25600 85W」の単品は売り切れとなっており、PD充電器付きのモデルのみ販売していた。

 モバイルバッテリーについては、単に一番高いヤツが一番いいとはならない。軽さやサイズも大きな指標だからだ。そこでスペックを比べてみたのが以下の表だ。

PowerCore III Elite 25600 87W PowerCore III Elite 25600 60W PowerCore III 19200 60W
バッテリー容量 2万5600mAh 2万5600mAh 1万9200mAh
サイズ 約183.5×82.4×24.0mm 約183×82×24mm 約169×79×22mm
重量 約573g 約568g 約422g
ポート数 TypeーC×2、TypeーA×2 TypeーC×1、TypeーA×2 TypeーC×1、TypeーA×2
USB PD1ポートの出力 最大87W 最大60W 最大60W
全ポート合計出力 最大78W 最大75W 最大60W
充電 最大100W 最大60W 最大60W

 「Anker PowerCore III Elite 25600 85W」と「Anker PowerCore III Elite 25600 60W」は寸法、重さともにほとんど同じ。「Anker PowerCore III Elite 25600 85W」のほうが、充電も最大100Wに対応し、出力ポートも4つあって、どうせほぼ同じ重さならば「Anker PowerCore III Elite 25600 85W」を選びたくなる。

 一方で「Anker PowerCore III 19200 60W」はおよそ150g程度軽い。150gというと単1電池1本強、単三電池6本強という重さだ。割合でいうと25%程度軽くなるので、十分体感で分かる差だと言えるだろう。ただし、バッテリー容量についてもちょうど25%減となる。

1万9200mAhでノートPCのバッテリーを満タンに充電できるか計算してみた

 そこで「Anker PowerCore III 19200 60W」がノートPCのバッテリー何回分程度になるのかを調べてみた。

 筆者が使っているThinkpad T480sの場合、バッテリー容量は57Whとある。一方のモバイルバッテリーは3.7Vのリチウムイオンバッテリーなので、1万9200mAhに3.7Vを掛けると71.04Whということになる。ただし、これはあくまで電池そのものの容量で、実際に出力されるときには変圧などもあるのでこれより少なくなる。

 定格容量の記載が見つけられなかったのでAnkerに問い合わせてみたところ、定格容量が1万2100mAh、定格電圧が5Vで60.5Whになるとのこと。これは予想より大きかった。一般的には定格は電池容量の60~70%と言われているので、定格でも約85%の電力量を確保できているというのは驚きだ。すごいぞAnker!!

マニュアルにもバッテリー容量1万9200mAh/71.04Whの表記がある

Webサイトやマニュアルには見つけられなかったが、製品本体に定格容量1万2100mAhと定格電圧5Vの記載があった

 もちろん実際のPCの充電では20Vまで昇圧されるし、そのほかの要因もあるのでこの数値のとおりとはならないだろうが、それでもノートPCのフル充電ほぼ1回分というのは理想的なサイズだ。電気には重さはないが電池は重いので、必要以上の容量はただの重りにしかならない。筆者の環境では「Anker PowerCore III 19200 60W」がベストバランスのようだ。

実践!! 空っぽになったノートPCを満タンにすることはできるのか?

 では実際にノートPCをどこまで充電できるのだろうか?

 そこでノートPCを、バッテリー残量が減って自動でシャットダウンするまで放置したあと、満充電の「Anker PowerCore III 19200 60W」と付属のUSBケーブルで充電してみた。

自動でシャットダウンするまでバッテリーを使い切ったThinkpad T480sを「Anker PowerCore III 19200 60W」と付属のUSBケーブルで充電してみた

 モバイルバッテリー側には4つのLEDがあって、これが電池残量を示す。充電中はこのLEDが点灯し、残量が減ると点灯するLEDの数が減っていく。このLEDは針の穴のような小さな穴から見えるとても小さな光で、悪く言えば見にくい。ただ、やたらと自己主張が激しいモバイルバッテリーよりも無駄がない感じで個人的には好感が持てる。

 なお、低電流モードもあるので、Apple Watchなど消費電力が少なく、通常だと充電が途中で止まってしまうような製品にも利用可能だ。

充電中にはボタン部分にある4つのLEDが点灯。バッテリー残量が減ると点灯するLEDの数も減る

ボタンをダブルクリックか2秒間長押しするとLEDの1つが緑色になって低電流モードになる

 ということで充電が終了したところでPCを起動してバッテリー残量を確認してみるとバッテリー残量は100%の文字。ただし、起動し終わってスクリーンショットを撮る直前で99%になってしまった。これは起動時に特に電力を多く使うためだ。

 充電後のモバイルバッテリーも、電源ボタンを押すとランプは点灯するものの、それ以上充電できる状態ではなかったので、まさにちょうどぴったり、ノートPC満充電1回分という感じのようだ。繰り返しになるが必要以上のバッテリー容量はただの重りなので、まさに必要にして十分のジャストサイズ!! これはとてもうれしい結果だ。

 実際にはバッテリーが空になるまで充電しないことは無いだろうし、起動したまま充電すればまたいろいろと変わってくることもあると思う。ただ、これまでの使い方でも1日でバッテリー2回分を空にすることはないと思うし、2日以上充電できない状況が続くことも考えにくいので、筆者にとっては理想的な選択になったと思う。

「Anker PowerCore III 19200 60W」で充電した後の状態。この画面にしている間に99%になってしまったが、起動した時点では100%充電されていた

長財布サイズでカバンの中のポケットにも収まりがいい

 重さとしては500mlのペットボトルよりは軽いレベル。大きさは長財布やペンケースの長辺を少し短くしたようなサイズ感なので、ビジネスバッグのポケットなどにも収まりやすい形だと思う。

サイズとしては長財布や筆入れを短くしたぐらいなので、バッグの内ポケットなどにも収まりやすいサイズ感だ

 普段からPC充電用に前出の小型のPD充電器とTypeC-TypeCのUSBケーブルを持ち歩いているので、バッテリーを充電し忘れた時や、外で長丁場の取材になりそうなときなどだけ持って行くようにすればよいと思う。

 取材時に限らず、気分転換のため近所の公園や喫茶店で仕事をしたいときなどにも、バッテリー残量を気にせずに済むようになりそうだ。春になったら平日の空いているときに花見でもしながら仕事をしてみるのも楽しそうじゃないか。

65WのUSB PD充電器と100Wにも対応したUSBケーブルが持ち運び用の電源セット。ここにモバイルバッテリーが加わればノートPCまわりの電源装備は完璧だ