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巨大IT企業の独自SoC戦略について考えてみた!


既報の通り10月20日(日本時間)、Googleが新型のスマートフォン(スマホ)「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」を発表しました。日本国内では10月28日よりGoogle ストアや各移動体通信事業者(MNO)より発売が予定されており、現在それぞれのオンラインショップおよび実店舗にて予約を受付中です。

Pixel 6シリーズで最も大きな話題となったのは、その心臓部であるSoC(チップセット)です。ついにGoogleもSoCを自社開発し、「Google Tensor(グーグル・テンサー)」という名称で発表しました。

Google Tensorを搭載したPixel 6の性能は、Qualcomm製SoCを採用した前機種「Pixel 5」シリーズと比較し、CPU性能で80%、GPU性能では370%も高速であるとしています。

巨大IT企業が独自SoCを開発……と聞くと、思い出すのはAppleでしょう。Appleも10月19日(日本時間)に新型のMacBook Proシリーズを発表しましたが、その心臓部には独自開発のSoC「M1 Pro」および「M1 Max」が採用されています。そもそも、AppleはiPhoneシリーズにおいても「iPhone 4」から自社開発SoC「A」シリーズを採用しています(iPhone 4には「A4」を採用)。

GoogleやAppleは、なぜコンピュータデバイスの基本となるSoCから自社で作ろうとするのでしょうか。そしてまた、その方向性や戦略にリスクはないのでしょうか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回は巨大IT企業が描くチップセット戦略とそのリスクや未来像について考察します。

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