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米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」について、厚生労働省の専門部会は24日、国内での製造販売を特例承認することを了承した。

 厚労省が直ちに正式承認する見通しで、新型コロナ向け飲み薬の実用化は国内初となる。オミクロン株にも有効とみられ、自宅で手軽に使えることから医療機関や患者の負担軽減が期待される。

政府は、今年度分の60万人分を含む計160万人分を確保することでメルク側と合意しており、来週から医療現場で使用できるようにする方針だ。

日本法人MSDが3日に承認申請していた。国内で承認された新型コロナ薬は計6製品となった。

モルヌピラビルは発症早期の服用で、体内のウイルスの増殖を阻止し重症化を防ぐ効果があるとされる。メルクによると、臨床試験で、発症5日以内の重症化リスクがある患者の入院または死亡のリスクを30%減少させる効果が確認された。

英国が11月に世界で先駆けて使用を承認し、米食品医薬品局(FDA)も今月23日に緊急使用許可を出している。

コロナの飲み薬をめぐっては、米製薬大手ファイザーの新薬についてFDAが同22日に緊急使用許可を出した。日本政府は200万人分の供給を受けることで同社と基本合意している。日本の塩野義製薬も年内の承認申請を目指して最終段階の臨床試験を進めている。