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韓国のムン・ジェイン大統領が朝鮮半島の平和のためには朝鮮戦争の終戦宣言を行うべきだと提案したのに対して、北朝鮮外務省は「時期尚早だ。アメリカの敵視政策が変わらなければ、何も変わらない」として、終戦宣言には応じないとする立場を強調しました。

韓国のムン・ジェイン大統領は今月21日、国連総会で演説し「朝鮮半島の平和のはじまりはいつでも対話と協力だ」と述べて、70年近く休戦状態が続いている朝鮮戦争の終戦宣言を改めて提案しました。

これに対して、北朝鮮外務省のリ・テソン次官が24日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表し「われわれの国防力強化を挑発だと罵倒し、アメリカとその追従勢力の軍備増強は抑止力だと美化されている」として、アメリカと韓国への不信感をあらわにしました。

そのうえで「終戦宣言は時期尚早だ。一触即発の状況では紙にすぎない。われわれに対するアメリカの敵視政策が変わらないかぎり、宣言を行っても何も変わらない」として、終戦宣言には応じないとする立場を強調しました。

北朝鮮としては、アメリカが北朝鮮に対する制裁を維持するとともに、朝鮮半島の有事を想定した合同軍事演習を毎年、韓国軍と行っていることから、こうした行動を先に撤回するよう求めた形です。