古今東西の「戦い」を中心に、独自の視点とビジュアルで歴史の実相に迫る雑誌「歴史群像」。その2021年8月号の付録には、専門家が考証を加えた超リアルな戦艦『大和』のペーパークラフトが付いています
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本記事では、この『大和』のペーパークラフトの作り方を詳しく、そしてできるだけわかりやすく解説します。完成度を高めるためのテクニックも併せて紹介しますので、ぜひ、実際に作られる前に読んでみてください。
戦艦『大和』の最後の出撃前の姿を再現!
付録は全32ページの冊子になっており、パーツが並んだ「展開図」と呼ばれるページと、組み立て方の説明、使用する道具についての説明等が掲載されたページから成っています。
ちなみに、冊子ではなく「歴史群像」8月号本誌の巻頭カラー記事では、ペーパークラフトの完成見本を使って『大和』の特徴や個々の部分の名称や役割などを解説する記事が掲載されています。組み立て前に記事を読んで『大和』についての知識を得ておくのもよいでしょう。
『大和』は昭和16年(1941)12月の就役後、昭和20年4月に沈没するまでに数回にわたって改装が行われました。そのため、搭載している兵器の数や配置は時期によって異なります。今回のペーパークラフトでは、最後の出撃を控えた時期の『大和』の姿が再現されています。また水上機や幟(のぼり)など、お好みで使える選択式のオプションパーツも付属しています。
戦艦『大和』とは?
戦艦『大和』は、日本海軍が建造した全長236m、全幅38.9m、基準排水量6万5000トン、世界最大最強の46cm砲9門を備えた戦艦です。しかし、太平洋戦争の開戦直後から空母が海戦の主役となったため、活躍の場はほとんどなく、昭和20年4月6日、海上特攻作戦として沖縄に向けて出撃、翌7日、アメリカ海軍機の猛攻を受けて沈没しました。
まずは道具を用意しよう
ペーパークラフトを作るには道具が必要です。まずは、どんな道具が必要かを見ていきましょう。ちなみに、これらの道具の多くが100円ショップで購入できます。
①定規
20cm位のサイズが作業に適しています。
②接着剤
木工や手芸用の速乾性で乾くと透明になるタイプがお薦め。
③ハサミ
一般的な事務用のもの(A)でOK。刃の部分が短いクラフト用のもの(B)があると、曲線部分のカットがしやすいので便利です。
④目打ち
折り線部分を切れないようになぞって、パーツを折りやすくするために必要。カッターの刃を紙ヤスリで削って切れなくしたものでもOK。
⑤カッター
一般的な事務用のものでOK。細かいパーツの切り取りには、写真のようなアートナイフや、刃先の角度が30度程度のクラフト用があれば、より切り出しやすくなります。
⑥ピンセット
パーツの取り付け、のりしろ部分の圧着に使用します。写真のタイプ以外に、先端がまっすぐのタイプもあります。お好みで選んでください。
⑦丸棒(写真はニット用の竹製)
パーツを丸めたり、曲線を出すために使用します。断面の丸い割り箸などでもOK。
⑧爪楊枝
接着剤を細かいパーツにつける際や、のりしろに付けた接着剤を平らにならす時などに使用します。
⑨とじ針・ピアノ線
主砲身の仕上げに使います。真鍮線やピアノ線等、細くて硬い丸い棒状のものならOK。
※カッティングマット
サイズは大きい方が使いやすいですが、作業スペースに合わせたサイズを用意しましょう。
組み立て作業に入る前に知っておきたい、いくつかのポイント
パーツに示されたさまざまな線の意味を知る
各パーツには、組み立ての際に必要な各種のラインが印刷されています(下図参照)。それぞれの意味を頭に入れてから、組み立てを始めてください。
折線部分にきれいに折るために、折りクセを付ける方法
山折りであれ谷折りであれ、折り線部分は目打ち等の尖ったものでなぞってください。こうすることで、紙のなぞった部分に溝ができて、きれいに折れるようになります。2回ほどなぞるとよりきれいに仕上げられます。直線部分には写真のように定規を使うときれいになぞれます。
パーツをカットする際の注意点
パーツをカットする際は、カットする線の真上をカットするようにします。線の内側ではなく、真上です。また、カットする部分が細かい場合は、そのパーツを少し大きめにカットしておいて、そのあとに細部をカットするようにするとやりやすいです。
曲面に仕上げるパーツに曲面のクセを付ける方法
船首や艦尾、煙突などの曲面や、主砲や機銃の基部などの円筒状のパーツを組み立てる際には、パーツを切り抜いた後に、丸棒を使ってパーツに予めクセを付けると組み立てやすくなります。クセをつける際は、弾力のあるシート状のもの(写真ではマウスパッドを使用)の上で行うとよりクセをつけやすいでしょう。
いよいよ組み立てに! まずは船体から
さて、それでは実際に作っていきましょう。まず最初に、冊子の展開図のページ(P9~24)をすべて、ページの左側の切り取り線部分でカッターかハサミで切り離してください。以降は、冊子の「組み立ての手順」(P8、25~31ページ)を確認しながら、適宜パーツを切り出して、組み立てを進めていきます。
船体の底部
船体の底部は全体の土台となります。最初に組み立てるパーツ1、2、3はズレが生じないようにしっかりと接着しましょう。
舷側の組み立て
微妙な曲線部分はハサミを使うと切り出しやすいです。
パーツは切り出したあと、組み立てを始める前に折り線をなぞって、折りクセを付けておきす。
艦尾側の舷側パーツ8、9と10、11は構造が複雑なので、まずは接着剤を付けずに仮組みをしてみて、どことどこを接着するのか等を確認してから接着するとよいでしょう(写真は右舷側の接着後の状態)。
艦首側と艦尾側の舷側パーツは、丸棒でクセを付けておくと、艦底パーツに接着しやすくなります。
艦首のパーツ12(矢印部分)は、曲げクセを付けてから接着します。
船体中央部
6つあるパーツ27は、円柱が歪まないように注意して所定の位置に接着してください。
艦橋や煙突が載る土台となる部分は、甲板に接着した後、浮き上がらないように圧着させてください。
ここまでで船の基本部分である船体が完成しました。いかがでしたでしょうか。次回の「後編」では、艦橋から主砲、そして完成までの手順を解説します。お楽しみに!
接着剤
接着面が狭い場合は、チューブから直接パーツに接着剤を付けず、適量を爪楊枝の先に移してから、のりしろ部分に塗布すると、きれいに仕上がります。
【後編はこちら】
【書籍情報】
歴史群像8月号
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