自民党総裁選(29日投開票)に出馬した4氏は24日、外交と安全保障をテーマにオンライン形式の討論会に臨み、靖国神社について、河野太郎ワクチン担当相と野田聖子幹事長代行が、首相として参拝しない考えを明言した。
また、4氏とも台湾による環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の加入申請を歓迎し、支援する考えを示した。
靖国神社に関し、河野氏は「首相在任中は参拝しない」と語った。野田氏も「個人としては家族と参拝するが、首相、総裁という公職ではしない」と答えた。高市早苗前総務相は「参拝させていただく」と重ねて強調した。岸田文雄前政調会長は「時期、状況を考えた上で、参拝を考えたい」と説明した。
また、河野氏は台湾のTPP加入申請について「日本の経済交流を考えれば、台湾がTPPの高いスタンダードをクリアして加盟することは非常にうれしい」と歓迎した。岸田氏は「台湾は日本にとって経済をはじめ大切なパートナーだ」と歓迎しつつ、「TPPの高いレベルにしっかり対応できるか、冷静に見なければいけない」とも述べた。
高市氏は「TPPで台湾の加入を支援したいと明確に考えている。台湾への支援は惜しまない」と語った。野田氏は「世界中で仲間はずれをつくらないという日本の寛容な精神で、しっかりと台湾を支えていければ」と述べた。
中国が軍事的挑発を続ける尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関し、河野氏は「外交活動もしっかりやりながら、海上保安庁、何かあったときは自衛隊が対応できる態勢を維持したい」と語った。岸田氏は「海保の装備の充実は大変重要だ。海保と自衛隊の連携も切れ目ない対応ができるようにしっかりと準備しておかなければならない」と訴えた。
高市氏は中国海警局の武器使用権限を明確化した海警法に懸念を示し、「海上保安庁法を必ず改正したい。必要に応じて自衛隊と共同で対応することで、大切な領土を守り抜いていきたい」と述べた。野田氏は「尖閣は日本の領土だという考えは自民党の議員ならみんな同じだ。しっかりと守っていく」と強調した。