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はてなで働くエンジニアにアンケートシリーズ第16回は、はてなブックマークチームのWebアプリケーションエンジニアのid:yigarashiに話を聞きました。

社内のはてなidの分類では「jkondoスタイル」

── Q. はてなidとその由来を教えてください

本名が五十嵐 雄(いがらし ゆう)なので、名前の1文字目の y と名字の igarashi から取って yigarashi としました。口頭での呼び方に寄せてigarashiとする案もあったのですが、大学の指導教員が研究室のSlackで使っていたidも igarashi で、同じidを使うのは恐れ多かったので y をつけました。社内のはてなidの分類では「jkondoスタイル」と呼ばれる型(編注:はてな創業者・近藤淳也のはてなidは、名前のイニシャルと名字の組み合わせ)になるようで、期せずして創業者のはてなidを踏襲する形になっています。

突然新卒での応募をしたところ、通年採用のフローに

── Q. いつどんなきっかけで入社されましたか?

2019年4月に新卒として入社しました。「京都でコンピューターサイエンスの知識を生かせる」という条件で就職先を探しており、大学の同期や研究室の先輩がはてなで働いていることを知っていたので、自分もマインドが合うのではないかと考えて応募に至りました。

さまざまな事情から2018年10月頃に突然応募をしたのですが、はてなは通年採用ということで快く採用フローに乗せていただき、翌年度の新卒として入社することになりました。当時はだいぶ追い詰められていて、2社目以降もまともに考えていないという状態だったので、まさに拾ってもらったというような心持ちだったのを覚えています。

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id:yigarashiの自宅のデスク周り

チームのデータ転送基盤の開発を主導+スクラムマスターとしてリーダーの立ち回り

── Q. 現在の仕事を教えてください

はてなブックマークチームのWebアプリケーションエンジニアとして働いています。とは言っても、コーディングやレビューといったアプリケーション開発は6〜7割程度の時間しかやっていません。はてなブックマークチームはスクラムを土台にしたイテレーティブな開発プロセスを採用しており、残りの3〜4割の時間で、そのプロセスや文化を強化するスクラムマスター的な役割も担っています。

── Q. チーム内の立ち位置を教えてください

開発メンバーとしてはテックリードを追いかける2番手といった感じでしょうか。間に異動もあって時間がかかったのですが、ようやくサービスの全体像や基本的なコードの書き方が体になじんできて、ポイントを押さえながらスループットを出せるようになってきています。Embulkを用いたデータ転送の整備ではアーキテクトとして開発を主導しており、チーム内で自分が一番詳しいと言える領域も出てきたので、少しずつ自信がついてきたように思います。とはいえ、難しい問題は手に余ることが多いので少しずつ底上げしていきたいですね。

これとは別にスクラムマスターの帽子もかぶっており、そちらではリーダーとしての立ち回りを模索しています。チームの成果を最大化することを念頭に、バックログの整理や開発プロセスの改善を支援しています。特に最近は、自ら開発プロセスを改善するだけでなく、ふりかえりのファシリテーションやプロセス改善への巻き込みを通して自律的にプロセスを改善する文化を強化しようとしています。

適度にコンテキストスイッチをしながらいろいろな仕事をするのが好き

── Q. 1日の仕事の流れを教えてください

午前中に何をする、などの決まった流れはあまりありません。もちろんチームの昼会といった共通のイベントには出席しますが、それ以外は、レビューが溜まっていれば朝イチでもレビューから始めるし、後続の依存があるタスクを持っていたらそれを優先する、直近で困っている人がいたら先に開発プロセスの改善を考えるといった具合です。

チームとしての成果がより大きくなるように、タスクの優先度を細かくメンテナンスしながら日々過ごしています。適度にコンテキストスイッチをしながらいろいろな仕事をするのが好きなので、今の働き方は気に入っています。

スクラム運営の強度が大きく向上+Embulkを用いたデータ転送の整備を進める

── Q. 最近うまくいったことは何ですか?

最近、2つほど手応えを感じる仕事がありました。

ひとつはスクラム運営の自律分散化です。これまでのスクラム運営は、なんとなく全体のオーナーシップを僕が持って、興味がある人に案を聞いてもらって改善を進めるという形でした。しかしそうやって僕が問題を解決しているだけでは、チームの問題解決能力は向上せず、チームのパフォーマンス向上は僕で律速されてしまいます。これを解決するために、スクラム運営に興味がありそうな人たちにいくつかの会のオーナーシップを委譲し、僕が改善の壁打ち相手になる構造へと変化させました。その結果、僕以外からも具体的な改善が起こるようになったり、オーナーシップを持つメンバーでワーキンググループを組成できるようになったりと、スクラム運営の強度が大きく向上しました。この取り組みがスムーズに進んだのは、ひとえにオーナーシップの委譲に快く乗ってきてくれたメンバーのおかげで感謝しかありません。

もうひとつうまくいっている仕事はEmbulkを用いたデータ転送の整備です。はてなブックマークチームでは、データに基づく仮説検証型のアジャイル開発を推進しており、その土台となるデータ基盤の整備を進めています。僕が見ているコンポーネントの役割はFargateでEmbulkを動かしてMySQLからBigQueryにデータを転送することです。それだけといえばそれだけなのですが、なにせ相手にするのは15年分のサービスデータです。素朴に量が多いのはもちろん、おかしなデータが入っていることもあります。はじめはチームに知見がない状態からのスタートで苦労しましたが、試行錯誤を重ね、今ではいろいろな状況に対処する転送パターンをいくつか確立できつつあります。また、ドキュメントやサンプル、作業ログを充実させることにより、自分以外も転送タスクを担当できるようになっています。4月に入社したばかりの新メンバーにも転送タスクを消化してもらえていて、横展開がうまくいっている感触があります。半年のロードマップやプロダクトバックログも整備が進んでおり、面倒を見ていくのが楽しみなコンポーネントです。

データを意思決定につなげる部分にも手を広げていきたい

── Q. これからやっていきたいことは何ですか?

上で書いたうまくいっている部分をさらに伸ばしていきたいです。スクラム運営の面では、自律分散化をさらに推進するために、他の人からアイディアやアクションを引き出すサーバントリーダーとしての振る舞いが重要になると考えています。問いかけを工夫したり、自分から解決案を言いそうになるのをグッと堪えてみたり、いろいろと試行錯誤をしていますが、まだまだこれからという段階です。自分自身の引き出しが少ないのも課題で、問い掛けたは良いが自分も答えを知らないという場面もあり、前途多難です。

データ基盤の面では、素朴なデータ転送がようやく安定しつつあるので、それらのデータを意思決定につなげる部分にも手を広げたいと考えています。データはそこにあるだけではダメで、プランナーが使いやすい形に整形され、即座に意思決定をサポートするものでなければいけません。

今はデータ駆動開発の全体をドライブするリーダーがいて、その人が転送したデータをチームの需要に合わせて整形するという形で一応は機能しています。専門的な用語で言えば、データソースとデータウェアハウスの間を境界にして分業している状態です。これでやっていけないことはないものの、やはり大元のデータの需要からブレークダウンして進められるのが理想です。そのほうが確実にインパクトのあるポイントを押さえられます。少しずつカバー範囲を広げて、データ基盤全体のオーナーシップを高めていきたいですね。

「次も呼んでもらえる」ような振る舞いでエンジニアリング能力をブーストしたい

── Q. 普段大切にしていることは何ですか?

漠然とした言い方になるのですが、「次も呼んでもらえる」ような振る舞いを大切にしています。もしいま一緒に働いている人が別のプロジェクトを始めるとして、そのときに「あいつを入れておけば安心」と思い出してもらえたらうれしいですよね。そういう印象を持ってもらえるような行動を心がけています。

じゃあそうなるために何をするかというと、特別なことをするつもりはなくて、みんながやりやすい仕組みを作るとか、伝わりやすい文章を書くとか、ストレスを与えないようにコミュニケーションを取るとか、一般に良いとされる小さな行いを地道に積み重ねたいと考えています。そういう振る舞いで自分のエンジニアリング能力をブーストして、チームの成果につなげていけるのが理想です。

地に足をつけて地道に学び、知見を教え合う雰囲気の会社

── Q. はてなはどんな会社ですか?

良い人がそろっている会社だと思います。他の人の気持ちを思いやりながら、論理的に考え、プロダクトや組織のために意欲的に行動する人が多いです。地に足をつけて地道に学び、知見を教え合う落ち着いた雰囲気を感じます。

一方で、挑戦を称える文化も根強くあり、コンフォートゾーンを抜け出そうとする人に対するサポートが厚いのも良いところだと思います。冒頭で述べたとおり、はてなは自分が履歴書を出した唯一の会社なわけですが、けっこう運が良かったかもしれないというのが2年間働いた感想です。とはいえ、1社しか見ていない若者が自分の所属する会社をあんまり良く言うのも気持ち悪い感じがするので、ぜひ他の人のアンケート記事も読んでいただけると良いと思います。


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