イギリスのPlanet Computersが開発したスマートフォン「Astro Slide」が2021年10月25日から日本のクラウドファンディングサイト、Makuakeで販売キャンペーンを開始しました。期間は2021年12月4日までで、価格は「限定台数超早割価格8万9,999円から」。キーボード付きのスマートフォンは最近はほとんど姿を見なくなりましたが、Astro Slideは指先を使ってしっかりとタイプできる本格的なキーボードを小型のスマートフォンに搭載した特徴ある製品です。日本で発売予定の先行試作品を使ってみました。
製品名からわかるように、Astro Slideはスライド機構を持つスマートフォンです。普段は6.39インチのディスプレイを搭載するスマートフォンとして使えますが、そのディスプレイをスライドさせるとフルキーボードが現れ、手のひらサイズのノートPCスタイルで使える姿に変身します。キーボードは日本語配列と英語配列の2種類があり、バックライトも搭載されています。
本体サイズは縦と幅が172.4×76.5mmとスマートフォンとして一般的な大きさ。厚みはスライド機構を持つため17.8mm、また重さは約300gです。スマートフォンで長文入力を多用する人ならBluetoothキーボードを一緒に持ち歩くこともあるでしょうが、Astro Slideならこれ1台にキーボードも内蔵されているわけです。
Astro Slideを左手で持ってスマートフォンの形状で使ってみました。300gの質量は重みを感じるものの、実は最近のスマートフォンはケースをつけると結構重いものも多いのです。6.39インチのディスプレイサイズは十分な広さもありますし、普通のスマートフォンとしても十分使えそうです。
さてAstro Slideを横向きに持ち、左右の親指でディスプレイを押すとスムーズにスライドしていきます。Planet Computersが開発した特許取得済の特殊なヒンジにより、隠されていたキーボードが現れるのです。
完全に開いた状態で、ディスプレイを上向きにするとノートPCスタイルの完成です。キーボードは小型のものではなくノートPCに搭載されているものと同等の形状で、サイズも大きめです。これならしっかりと文字が打てそうです。
テーブルの上にキーボードを出した状態でAstro Slideを置いてキータッチを試してみました。キーボード1つ1つは指先で押せる十分な大きさなので、人差し指だけではなく中指も使って左右の4本の指を使った文字入力もできそうです。小型のボタン式のキーボードではないため、指先で強く押し込む必要もありません。ノートPCをそのまま小さくしたイメージで使えるキーボードと感じます。
先ほどのディスプレイをスライドさせるときの写真を見るとわかるように、キーボードを出したスタイルで両手で持ち、親指を使ってキーボードを入力することも可能です。電車やバスの中など、机のない環境でもAstro Slideならキーボードを使った文字入力ができるわけです。
またこのスタイルはスタンドを使わなくてもディスプレイが傾斜してくれるので、動画を見るときも便利ですし、さらには内側のフロントカメラを使っがビデオ会議への参加もしやすいでしょう。
主なスペックはチップセットがメディアテックDimensity 800、メモリ8GB、ストレージ128GB、マイクロSDカード対応、6.39型2,340×1,080ピクセルディスプレイ、4,800万画素カメラと1,300万画素フロントカメラ、4,000mAhバッテリー。5Gに対応し、デュアルSIMカードの利用も可能。またeSIMにも対応します。
Planet ComputersはAstro Slideを「5Gとキーボードを融合させた新世代のスマートフォン」として開発したそうです。仕事でスマートフォンをよく使い、オフィスアプリのデータを移動中でも確認することが多い人など、ビジネスパーソンには便利なのではないでしょうか。またブログやノート系サービスで情報発信を行う人も、Astro Slideの横画面にキーボードを使えば長い文章も一気に書き上げることができそうですね。スマートフォンとキーボード付き超小型ノートPCを1台で使い分けることのできるAstro Slide、使ってみると思わぬ発見や新しい使い方を見つけられるかもしれません。
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