例年Galaxy Sシリーズは地域によって搭載するシステム・オン・チップ(SoC)が異なります。
原則サムスン自社が開発するExynosチップを搭載しているものの、中国・日本・米国といった一部市場では、例年大人の事情によりQualcommのSnapdragonシリーズが搭載されています。
またサムスンの次期ハイエンドチップであるExynos 2200(仮称)では、米半導体メーカーAMDと共同開発のGPUを搭載すると噂されているため、Qualcommの次期ハイエンドチップSnapdragon 898(仮称)よりも処理性能が優れているのではないかと期待されています。
そのためか、このSnapdragon搭載地域にてExynos搭載のGalaxyが発売されるのではないかという情報が浮上しています。
一部地域では特許の都合でSnapdragon搭載?
携帯電話のセルラー通信には様々な規格が存在します。
国や通信事業者によって採用規格は異なりますが、その中でQualcommが開発したCDMA2000という方式があります。3G規格の一つであり、米国・中国・韓国・日本などで採用された実績があります。
このCDMA2000を利用するにはQualcommの所持する特許が絡んでくると考えられるため、同社の製品であるSnapdragonを搭載したほうが合理的であるという判断となり、これら採用国の多くでSnapdragon搭載のGalaxyが発売されるようになったのだと思われます。
なお日本ではauが唯一CDMA2000方式を採用しており、2022年3月31日で運用を終了する予定です。
米キャリアVerizonがサムスンに交渉中
PhoneArenaによると、米国最大手移動体通信事業者(キャリア)であるVerizonは、Exynos 2200搭載のGalaxy S22シリーズを同社へ供給するようサムスンに要求しているようです。
VerizonがSnapdragonよりも性能の高いと言われるExynos搭載Galaxyを独占的に販売するとなると、競合他社通信事業者に対して大きな差別化を図ることができるでしょう。
一方で特許問題を抜きにしても、米国市場だけで異なるハードウェアのバリエーションが増加するということは、製造を行うサムスンにとってかなりの負担になることが予想されます。
Verizon独占供給となるのか、米国版Galaxy S22シリーズが全てExynos搭載となるのか、それとも例年通りSnapdragon搭載となるのか、今後の動向に注目です。
個人輸入の際は注意が必要になるかも
このように、次期Exynosは以前と比べても相当期待されていることが分かります。
今後Verizonだけでなく、Snapdragon搭載地域の他国でもExynosモデルの独占供給を求める通信事業者が現れる可能性は十分にあります。
つまり同じ国向けのものでもSoCが異なるモデルが混在する、というケースが現れるかもしれないということです。最悪の場合、型番を見ても判断がつかないことも考えられます。
そうなると、海外版を購入する際は、今まで以上に注意してスペックを確認する必要がありそうです。
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画像:Samsung
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