2021年8月23日、韓国・マネートゥデイは「台湾さえも国産ワクチン接種、K-ワクチンを追い抜いた第三国諸国」と題した記事を掲載した。「米英中ロを除いた『第三国』で新型コロナウイルスの国産ワクチン開発が進んでいるが、韓国では来年になる見通しだ」と伝えている。
記事は海外の報道を引用し、台湾で23日から国産ワクチンの接種が始まったと紹介。また、台湾より早く開発を終えワクチン接種を始めた国としてイラン、キューバ、ベトナムの状況を伝えている。これらの国は技術競争力以上に、政府の全面支援の意向が迅速な開発を引き出す原動力になったと指摘している。
一方、韓国のワクチン開発については「これらの国より速度が遅い」と伝えている。現在、最も開発が進んでいるSKバイオサイエンスの「GBP510」でも、接種は来年上半期になる見込みだという。ハンミ薬品、ST Pharm、GC緑十字が主軸となって立ち上げた「次世代mRNAワクチンプラットフォーム技術コンソーシアム」はmRNAワクチンの開発に着手したが、やはり接種は来年になると予想されるという。
ただ、韓国の医療界とバイオ業界からは「開発が速ければいいというものではない」「実際にどの程度効果があり安全性が通用するかが問題」だとの声が上がっているとも伝えている。インドの「コバクシン」、イランの「コビラン・バラカト」などは不活化ワクチンで効果が低いと指摘している他、台湾のワクチンについても「開発が速すぎたことへの懸念があり、今月初旬のワクチン接種対象者のうち、約1%しか国産ワクチンを希望しなかった」と伝えている。
また記事は、「4兆ウォン(約3756億円)を投じ1年でmRNAワクチンを開発した米国のように、開発初期から政府が意思をもって支援に動いていれば、速度と効果の両方を得ることができた」とも指摘している。ある関係者は「SKバイオサイエンスをはじめとする開発5社が臨床試験資金として支援を受けたのは390億ウォンほど、1社平均にすると80億ウォンにも及ばない。SKバイオサイエンスへの支援は30億ウォンに過ぎなかった」と話しているという。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「国産ワクチンの開発の遅れと、ワクチン不足は100%政府のせい」「現政権にできるのはウソをつくことと、北朝鮮にペコペコすることだけ」「K-防疫は詐欺、K-ワクチンはホラ」「あんなにK-防疫を自画自賛してたのに」「韓国は後進国よりもっと後進国なわけだ」「まあ、これが現実だよ」など落胆の声が殺到している。一方、「国産ワクチンを接種することになったら、不安だとか副反応はとかで騒ぎになるんじゃないの?」「みんな米食品医薬品局(FDA)の承認を受けるまでは国産の接種は受けないと言いそうだよね」などのコメントや、「台湾は第3相臨床試験を経ず、緊急承認をしたんだよ。なのに『台湾さえも』って、何?。韓国も第2相で緊急承認すると言ったら賛成するのか?」という記事への批判も見られた。(翻訳・編集/麻江)