炎天下での野外活動中、カバンの中でカメラを充電していた モバイルバッテリ の異常な発熱にびっくりして取り出すと、筐体を押し開いてすき間から見えるほに中のLiPo電池が膨らんでいました。使い始めて何年も経つことから、中を開けて LiPo 電池を 交換 してみます。
モバイルバッテリ分解検証
ローカルブランドの香港MOMAX社製のそのモバイルバッテリは、旅行など出掛ける際に愛用し続けて7, 8年ほど。
- 品名 : iPower Pro (BAIPOWER20)
- 容量 : 8000mAh
- 充電 : 5V 〜1.6A
- 出力 : 5V 1A x1 / 2.1A x1
日本でも発売されていたようで、当時の記事が見つかりました(なかなかのお値段)。
-新製品- MoMAX BAIPOWER20 – AKIBA PC Hotline! |
本体は筐体裏からネジ3本(うち1本はMOMAXシール下に隠れている)外すと、分解することが出来ます。更に基板は下側筐体にネジ3本で固定されています。そして、上側筐体にはバッテリレベルを示すLEDの子基板が固定されていて、本基板とピンヘッダで繋がる仕様になっています。
基板を見てみるとサーミスタが伸びていて、バッテリ温度監視機能付でした。そしてLiPo電池と繋がるリード線のハンダ付けの上には、しっかりと接着剤が盛られていました。
LiPo電池は2枚並列1組の構成になっていて、表記には「656194」とあることから、厚6.5mm、幅6.1mm、長94mmと寸法が判明しますが、8000mAhとある容量についてはさすがに2枚分の合計値でしょう。
代替LiPo電池選定
取り出したLiPo電池の型番サイズから、適合しそうな代替品を淘寶で見つけて購入しました。以前はこの種のバッテリは輸送上の安全性から香港への発送が出来なかったのですが、最近は弊害無く買うことが出来ています。
購入したのは、126090とあるので12mm厚ですが、これも6mm厚セルの2枚重ねになっており、容量は8000mAhです(s領領別RMB37にて)。
端子には、SXT-36A45と表記の有る保護基板がついている仕様です。
新品のLiPo電池と、膨らんだLiPo電池を比べてみると暑さの違いが一目瞭然です。
平面視の比較では、長手方向に多少短い製品への交換になることが分かりますが、容量は変わりません。
新しい電池の組み付け
基板とLiPo電池を繋ぐリード線は、基板に元々ついている方が太いのでこれを流用することにしました。
膨らんだバッテリの端子にアルミ製洗濯バサミのようなヒートストッパを挟んでから、素早くハンダを溶かして外し、新しいバッテリの保護回路出口端子にハンダ付けします。
保護回路をLiPo電池側へ折りたたみ、カプトンテープで絶縁保護します。
すき間でLiPo電池が動かないよう、両面テープで養生しつつ筐体に収めます。
筐体を閉じて完成です。初回は一晩じっくり充電してから使い始めましたが、今時の快速充電には対応していないものの、2A出力出来るのでたいていの用途にはまだまだ充分使えます。
USB負荷による容量計測
新しいLiPo電池へ載せ替えたところで、試しにUSB電子負荷LD35とUSB多機能テスタUM25Cを用いて、取り出せる電力量を測定してみました。LD35に流れる電流を1Aとして、UM25Cを通過する電力を積算します。
UM25CとAndroidスマホをBluetoothで接続し、専用のアプリで計測終了まで監視した結果は次の通り。
- 積算電流:3,875mAh
- 積算電力:19.4W
中のセルは3.7V x 8,000mAh = 29.6Wですが、もちろん100%振り絞ることは不可能ですし、計測条件も厳密ではないので、他のバッテリを同じ条件で今後測定しながら、相対的に比較してみるつもりです。
投稿 モバイルバッテリの膨れたLiPo電池を交換 は Fun Scripting 2.0 に最初に表示されました。