前回マキタ互換バッテリから取り出した、18650バッテリセル3本のうち正常な2本を抜き取り、経年劣化が懸念される モバイルバッテリ Panasonic QE-PL201 へ移植してみました。これはスポット溶接されたタブを丁寧に剥がしたり、ポータブル スポット溶接 機で 交換 セル の電極を溶接した、単純な作業記録です。
18650直列セルの分離
まずは前回、マキタ互換バッテリから取り出したLG製HD2 18650セルがニッケルタブで直列に繋がっているので、ラジオペンチで丁寧に剥がします。18650バッテリのプラス側は電極の突起部分のみがプラス極で、その周囲金属部分は全てマイナス極であることに注意。プラス極の電極突起の周囲にはドーナツ状の絶縁物が貼られていますが、それでもプラス極側は特に慎重に剥がす必要があり、緊張します。
電極の溶接跡をヤスリできれいに慣らしたら、全て一度満充電します。ここで前回充電不良のあったセルも問題無く満充電出来てしまったので、ZB2L3で全数放電容量計測したところ、次のような結果に(放電終止電圧は2.70Vに設定)。尚、HD2セルは公称2,000mAhの容量が謳われているので、ほぼその通りの結果でしょうか。
- #1 1,855mAh 45.2g
- #2 1,885mAh 44.9g ←前回充電不良セル
- #3 1,864mAh 45.2g
こうなると前回の充電不良が不可解なのですが、やはり「前科」のあるセル(#2)は避けて、残った2本のセル(#1, #3)を移植用に使うことにします。
QE-PL201のセル載せ替え
Panasonic QE-PL201モバイルバッテリを前回同様の要領で分解したら、そのまま搭載されている三洋セルの電極からタブを慎重に剥がします。一箇所、油断して破断してしまいましたが、電極と接する部分は綺麗に剥がせたので、タブを平らに慣らしてこのまま再利用します。
次に交換するHD2セルを並列にセットしたら輪ゴムで仮止めしてから、ポータブルスポット溶接機を使って溶接します。
三洋セル取り外し時に破断してしまった箇所は、ニッケルタブ片を当てて溶接の上、ハンダ付けしておきました。
無線充電のコイル端子を元通りハンダ付けして、蓋を閉じれば作業完了です。
積算電力を計測
micro USB端子から満充電の後、前回同様にUSB電子負荷LD35とUSB多機能テスタUM25Cを使って、USB端子から得られる積算電力を計測しました。
- 積算電流:2,482mAh (交換前:2,216mAh)
- 積算電力:11.96W (交換前:10.66W)
中身を開けてスポット溶接までした作業の割に、容量1割増ではやや寂しい結果かも知れませんが、電極からタブを剥がしたり溶接したりする良い経験にはなりました。
外した三洋セルの容量計測
最後に元々QE-PL201に載っていた三洋セルをZB2L3で放電容量計測してみます。QE-PL201の筐体裏面には、内蔵されているバッテリの仕様が「3.7V / 5400mAh (20Wh)」と明記されていますが、さすがに10年を経過してだいぶ劣化していました。
- #1 1,685mAh 46.6g
- #2 1,679mAh 46.4g
取り外した中古のセルたちは、以前分解したF95Bポータブルファンの予備電池にでもしようと思います。
投稿 往年のモバイルバッテリ Panasonic QE-PL201 のセル交換 は Fun Scripting 2.0 に最初に表示されました。