建築業界向けの建材・家具検索プラットフォーム「TECTURE」を手がけるtecture(テクチャー)は8月24日、総額約1億2000万円の資金調達を発表した。引受先は、Coral Capital、個人投資家を含めた8社。2019年創業からの累計調達額は1.9億円となった。調達した資金により開発体制およびデータベース構築体制を強化し、さらなる事業拡大にむけて組織基盤を強化する。また、TECTUREの検索機能アップデートを実施した。
今後の計画として、2022年春には、複数の主要専門誌5年分に相当する3500事例(約7万枚の写真)をデータベース化する予定。今後は「BtoB」の検索領域を拡大し、建物・家具・建材・設計図書・3Dデータなど空間に関するあらゆる検索・データ管理を可能にするという。またコンシューマー「toC」へ向けたマーケットプレイスの展開を予定しており、2023年には日本最大級の空間デザイン検索プラットフォームとなることを目指す。
tectureは、「空間デザインの未来をつくる」をミッションに掲げ、建築家の谷尻誠氏、編集者の佐渡島庸平氏、開発者の川田十夢氏、同社代表の山根脩平氏が、2019年2月に立ち上げた、建築デザイン領域のDX化を目指すスタートアップ企業。デザイナーの作品事例に家具・建材の商品情報を埋め込むことで、作品事例(メディア)から商品情報(カタログ)までワンストップで検索できる設計・メーカー向けプラットフォーム「TECTURE」を展開している。これまで大量の紙で検索していた家具・建材カタログや設計図書をオンライン上で効率的に管理できることから、サービス利用者数は1万5000人を超え、サービス導入設計事務所数は約200社に達しているという。
TECTUREのアップデートでは、デジタルカタログとしての機能を大幅に強化し、プロユースの検索性に対応した。「建築をさがす」「家具・建材をさがす」の2つのタブで絞り込み検索を実装している。事例や家具・建材の検索性を高め、詳細検索では「防火」「防煙」「ホルムアルデヒド」など建築基準法に対応した建材を絞り込める。
また、メーカー各社の販促ならびに空間デザインや設計業務を強力にサポートするだけでなく、これから家を建てよう、リノベーションをしようと計画中のユーザーにとっても、利用価値の高いサービスアップデートとなっているという。