菅総理大臣は、政府の対策本部で「全国の新規感染者数は過去最大の水準が続いており、特に中京圏などで高い増加が見られる。保健所の体制や医療提供体制も厳しい状況が継続している」と述べました。
そのうえで、国民の命を守るため、医療体制の整備が最優先だとして、自宅療養について、保健所が対応するまでの間、地域の実情に応じて、最初に受診した診療所でも健康観察や電話診療などを行える体制を構築し、妊婦が感染した場合は、緊急時に対応できる高度な医療機関を各地域で確保するほか、病院以外の大規模施設に酸素の投与ができる設備を作るなど、一時的な療養施設を拡大していく考えを示しました。
そして「中和抗体薬は、重症化を防止する高い効果があり、すでに1400の医療機関で1万人に投与している。これまで入院患者のみを対象にしていたが、多くの人が使いやすくなるように、外来で使うことも可能とし、幅広く重症化を防いでいく」と述べました。
一方、感染対策として、飲食店の時間短縮や大規模商業施設の入場整理を徹底し、百貨店など業種別のガイドラインを見直す考えを示しました。
また、菅総理大臣は「新学期を控える学校の感染対策をしっかり行う」と述べ、幼稚園や小中学校に、およそ80万回分の検査キットを配布することや、教職員のワクチン接種に大規模接種会場などを活用すること、それに、学校で感染者が発生した場合、学校や自治体が濃厚接触者を特定して休校などの判断を適切に行えるよう、速やかにガイドラインを示すことを明らかにしました。
そして「デルタ株の感染力は非常に強く、この危機を乗り越えていくため、国民の皆さんのさらなるご協力が必要となる」と述べ、各大臣に対し、医療体制の確保や感染防止、ワクチン接種に全力で取り組むよう指示しました。