国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)と積水ハウス株式会社は、「未来の住まいのあり方」をテーマとした研究および次世代の建築人材育成を目指す「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE – KUMA LAB)」の研究施設「T-BOX」を東京大学 工学部1号館に新設した。2021年10月14日(木)から順次運用を開始する。
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■「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE – KUMA LAB)」および「T-BOX」の特長
「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE – KUMA LAB)」は、国際デザインスタジオ、デジタルファブリケーションセンター、デジタルアーカイブセンターの3つの活動を展開する。国際アドバイザーにバリー・バーグドール(コロンビア大学美術史学専攻マイヤー・シャピロ講座教授、ニューヨーク近代美術館(MoMA)建築デザイン部門元主任学芸員)、サラ・M・ホワイティング(ハーバード大学デザイン大学院(GSD)学部長および建築学専攻ホセ・ルイ・セルト講座教授)、佐々木経世(イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長)を迎え、コンピュテーショナル・デザインやポストデジタル、アーバンデザイン、建築史学などの建築学の各領域における国際的な研究・教育拠点の確立を目指しながら、「未来の住まいのあり方」を探究する。「T-BOX」は「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE – KUMA LAB)」が東京大学内で運営するスペースの呼称。工作機械や複写機器の設備を備えた「T-BOX」は、学内からの利用者を広く受け入れ、東京大学のものづくり環境のハブとなることを目指す。
(1)国際デザインスタジオ
国際デザインスタジオでは、KUMA LABディレクターのセン・クアン(東京大学 特任准教授)と平野利樹(東京大学 特任講師)が世界から招聘した、第一線で活躍する建築家がデザインスタジオの指導にあたる。2021年度春学期にはスペイン・マドリードとアメリカ・ボストンを拠点に活動するアンサンブル・スタジオ、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するアンドリュー・コバックがデザインスタジオを指導した。
(2)デジタルファブリケーションセンター
「人と自然の共生」をテーマに、デジタルファブリケーションの活用によって生み出される建築がその中で過ごす人々の人間性豊かな生活にいかに貢献できるかを実践的に研究する。T-BOX内に設置されたCNC加工機、3Dプリンタ、レーザー加工機などのデジタルファブリケーション設備は、建築学科内外からアクセスでき、デジタルテクノロジーについての高度な人材育成を目指す。
(3)デジタルアーカイブセンター
建築アーカイビングの手法・思想に関する研究および実践により、我が国が世界に誇る建築資料のアーカイビングなどを主軸とした研究・教育拠点の構築を目指す。学内外の重要な建築家の図面や模型などの資料をデジタル化し、国内外の研究者がアクセスできるようなアーカイブプラットフォームの構築に取り組むことで、国際的な建築史研究・教育ネットワークの構築への貢献が期待できる。アーカイブ環境の充実によって、持続可能で豊かな都市環境を生み出すための既存の建築物ストックの活用方法をより実践的に探求する研究・教育プログラムの構築が可能になることが期待される。
■「T-BOX」概要
所在地:東京大学 本郷地区キャンパス 工学部1号館4階(東京都文京区本郷7-3-1)延床面積:約180㎡
デザイン監修:SEKISUI HOUSE – KUMA LAB(担当:隈 研吾、平野利樹、齋藤 遼)