まもなくやってくる「ブラックフライデー」と、オンラインショップで行われる「サイバーマンデー」。それぞれ11月の第4金曜日とその翌週月曜日に行われる買い物の「お祭り」は、一年で最もモノが売れる日とアメリカでは言われており、あちこちの店で大型セールが繰り広げられます。
2020年は新型コロナの影響で、消費者の買い物スタイルがオフラインからオンラインに移行。アメリカでは実店舗への客足が前年の半分近くに減り、オンラインの支出は22%増えたと言われていますが、ワクチン接種が進んだ2021年のブラックフライデーとサイバーマンデーはどうなりそうでしょうか?
そこで、Shopifyが行ったブラックフライデーとサイバーマンデーに関する調査結果をもとに、2021年の世界のトレンドを探ってみましょう。この調査はアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本の10か国の各1000人以上を対象に実施されました。
購買意欲がアップ
ブラックフライデーとサイバーマンデーは「一年で最も安く買い物ができる2日間」と知られており、店頭には70%OFFや80%OFFなど驚くような割引率のマークが並ぶことから、この日に狙いを定めてお目当ての商品を買うという人が多くいます。「2021年のブラックフライデーとサイバーマンデーに買い物する予定」と答えた人の割合は、イタリアで86%、アメリカ67%、ドイツ65%、カナダ61%などとなっており、いずれも前年より増加していました。
また買い物の予算も前年より増加。アメリカは前年の686ドル(約7万9100円※)から787ドル(約9万800円)に、カナダは481ドル(約4万4000円)から542ドル(約4万9000円)、ドイツは389ユーロ(約5万300円)から406ユーロ(約5万2500円)に増えています。
アメリカではコロナ禍の影響でサプライチェーンが崩壊し、商品配送や宅配サービスに遅れが出ています。そのため、店舗は早めに商品を仕入れ、消費者は早めに買い物を始める傾向が加速しました。この調査は10月初旬に行われましたが、その時点で「すでに買いたい物を探し始めている」と答えた人がアメリカは27%、カナダは25%、ドイツは23%、イギリスとニュージーランドでは22%いました。
ブラックフライデーは、もともとサンクスギビングデーの翌日の金曜日から週末にかけて行われるものでしたが、もはやシーズン型のイベントになりつつあるようです。
地元の店舗を応援
2020年はロックダウン(都市封鎖)のため、多くの消費者は買い物をオンラインで行いました。しかし2021年は、オンラインで商品をチェックしながら、実店舗でも買い物したいと考えている人が増えている様子。「実店舗とオンラインの両方で買い物する予定」と答えた人は、アメリカで59%と前年より11%増加しました。イタリアでも59%(前年より10%増)が同様に回答。カナダは50%(前年より5%増)となっています。
同時に、コロナ禍をきっかけに、地元の企業や経営者を応援しようという傾向が高まっています。このトレンドはブラックフライデーやサイバーマンデーでも同じで、「地元企業や個人経営者の商品を購入する予定」と答えた人は、アメリカでは59%、スペインでは57%、カナダでは53%となりました。
このほか、TikTok、InstagramなどのSNSを通じたショッピングも人気上昇中です。特に18~34歳の若い層の間で、SNSでの買い物がさらに増えていく模様。2021年のブラックフライデーとサイバーマンデーは、あらゆる空間で大いに盛り上がりそうです。
※各通貨の為替レートは次の通り(2021年11月25日時点)
1ドル=約115円換算
1カナダドル=約91円
1ユーロ=約129円