【ニューヨーク=平田雄介】米ニューヨークの連邦地裁は24日、米司法省と中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)副会長兼最高財務責任者(CFO)孟晩舟(もう・ばんしゅう)被告(49)の司法取引成立を認めた。
カナダから米国へ身柄を引き渡す要求は取り下げられ、カナダの裁判所は孟氏の釈放を決定した。この決定を受け、孟氏は24日夜、カナダを出国し、中国へ帰国の途についた。
孟氏は、中国人民解放軍出身のファーウェイ創業者、任正非(にん・せいひ)氏の娘。中国は孟氏を帰国させるよう繰り返し求め、米中対立の一因となっていた。
また、カナダのトルドー首相は24日夜、中国で身柄を拘束されていた実業家のマイケル・スパバ氏と、カナダ外務省を休職中のマイケル・コブリグ氏の2人が釈放され、空路でカナダに向かっていると発表した。
実業家のスパバ氏は今年8月、中国の裁判所で懲役11年などの判決を言い渡されていた。
孟氏の拘束をカナダに要請したのは当時のトランプ米政権。米国の法律で孟氏を裁くべきだと主張し、中国との対立が深まった。
一方、カナダ当局が孟氏を拘束した直後、中国当局は国家秘密を探った容疑などで中国に滞在していたカナダ人2人を逮捕。孟氏を拘束したことへの報復とみるカナダ政府を巻き込んだ外交問題に発展していた。
米国とカナダに対する中国側の今後の出方が注目される。