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“ストーカー”にGPS使用禁止 被害女性の恐怖「車の下から・・・」

 ストーカーが相手の居場所を知るためにGPS装置を使うことを禁止する新たな法律が26日、施行されました。元交際相手からGPSで追われた女性が取材に応じ、恐怖の経験を語りました。

ストーカー被害にあった内田八千代さん
 「メールの返事がないということで、(メールを)100通くらい一晩で送ってくるというあたりで、無理だと思いました」

 2007年ごろ、元交際相手からストーカー行為を受けていた内田八千代さん。自家用車を修理に出した際、車の下から“ある黒い物体”が見つかりました。

ストーカー被害にあった内田八千代さん
 「(整備士が)これは、GPSを発信する機械で。この車が何時何分にどこの建物に入っていて、何分停車して、(パソコンの)地図上で全部見られるものだと」

 車の下に取り付けられていたのはパソコン上で追跡できるという「発信機」。内田さんは元交際相手との“奇妙な会話”を思い出したといいます。

ストーカー被害にあった内田八千代さん
 「(元交際相手から)『最近、○○っていうスーパーによく買い物に行ってるの』とか、『最近、○○ちゃんとよく遊んでいるの』とか、全く気付かずに、のんきに会話をしていたんですけれども、あれ全部、パソコンで見てたんだと」

 問題の発信機とは、どのような物なのでしょうか。

記者
 「これは車両追跡用のGPSの発信機です。このように車の下に取り付けることで、万が一、車が盗まれてもスマホで車の位置を特定することができます」

 インターネットでも手軽に購入できる車両盗難防止用のGPS発信機。犯罪に悪用されるケースが相次いでいるのです。

ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
 「技術の進歩によって、(ストーカーの手段は)色々なものが増えていくわけですね。7、8年くらい前から(GPSが)結構、使われるようになりましてね」

 警察は、2014年からGPS発信機を使った59件のストーカー関連の事件を摘発しましたが、去年7月、最高裁はGPSの使用は違法ではないと判断しました。この判決後、GPSを使ってストーカー行為をした加害者の男性は、こう話したと言います。

ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
 「(加害者が)何がいけないんですか?と。(ストーカー)規制法違反じゃないでしょと言われて、法律の不備といいましょうか、穴だったわけですよね。ストーカーする人というのは、法律の穴をかいくぐってやろうとしますので」

 こうした状況を受け、改正された「ストーカー規制法」。26日から施行される改正法では、「GPS機器等の無断取り付けと位置情報の取得」が禁止され、位置情報が取得できるスマホのアプリを使ったストーカー行為も禁止行為に含まれます。

 一方で、発見しづらい小さな発信機やアプリなどには、引き続き警戒が必要だといいます。

ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
 「油断をしないで欲しいと思うんですよ。なかなかGPSを発見するというのは難しいので、この法律があってもやっぱりやろうと思えば、やられてしまう可能性があるので、くれぐれも警戒は解かないようにしましょうねという」