“ストーカー”にGPS使用禁止 被害女性の恐怖「車の下から・・・」
ストーカー被害にあった内田八千代さん
「メールの返事がないということで、(メールを)100通くらい一晩で送ってくるというあたりで、無理だと思いました」
2007年ごろ、元交際相手からストーカー行為を受けていた内田八千代さん。自家用車を修理に出した際、車の下から“ある黒い物体”が見つかりました。
ストーカー被害にあった内田八千代さん
「(整備士が)これは、GPSを発信する機械で。この車が何時何分にどこの建物に入っていて、何分停車して、(パソコンの)地図上で全部見られるものだと」
車の下に取り付けられていたのはパソコン上で追跡できるという「発信機」。内田さんは元交際相手との“奇妙な会話”を思い出したといいます。
ストーカー被害にあった内田八千代さん
「(元交際相手から)『最近、○○っていうスーパーによく買い物に行ってるの』とか、『最近、○○ちゃんとよく遊んでいるの』とか、全く気付かずに、のんきに会話をしていたんですけれども、あれ全部、パソコンで見てたんだと」
問題の発信機とは、どのような物なのでしょうか。
記者
「これは車両追跡用のGPSの発信機です。このように車の下に取り付けることで、万が一、車が盗まれてもスマホで車の位置を特定することができます」
インターネットでも手軽に購入できる車両盗難防止用のGPS発信機。犯罪に悪用されるケースが相次いでいるのです。
ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
「技術の進歩によって、(ストーカーの手段は)色々なものが増えていくわけですね。7、8年くらい前から(GPSが)結構、使われるようになりましてね」
警察は、2014年からGPS発信機を使った59件のストーカー関連の事件を摘発しましたが、去年7月、最高裁はGPSの使用は違法ではないと判断しました。この判決後、GPSを使ってストーカー行為をした加害者の男性は、こう話したと言います。
ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
「(加害者が)何がいけないんですか?と。(ストーカー)規制法違反じゃないでしょと言われて、法律の不備といいましょうか、穴だったわけですよね。ストーカーする人というのは、法律の穴をかいくぐってやろうとしますので」
こうした状況を受け、改正された「ストーカー規制法」。26日から施行される改正法では、「GPS機器等の無断取り付けと位置情報の取得」が禁止され、位置情報が取得できるスマホのアプリを使ったストーカー行為も禁止行為に含まれます。
一方で、発見しづらい小さな発信機やアプリなどには、引き続き警戒が必要だといいます。
ストーカー被害に詳しい NPO「ヒューマニティ」小早川明子 理事長
「油断をしないで欲しいと思うんですよ。なかなかGPSを発見するというのは難しいので、この法律があってもやっぱりやろうと思えば、やられてしまう可能性があるので、くれぐれも警戒は解かないようにしましょうねという」