こんにちは、山田ハヤオです。最近になってUbuntu 21.10がリリースされました。
Ubuntuのリリースの仕組み
Ubuntuは毎年、4月と10月に新しいリリースを出します。
2016年の04月のリリース→16.04
2018年の10月のリリース→18.10
といった感じでバージョン番号も決定しています。
今は2021年10月なので、21.10のリリースになります。
また、Ubuntuには通常版とLTS版の2種類があり、サポート期間に大きな違いがあります。
通常版は半年に1回更新され、サポート期間が9ヶ月と短いので定期的にOSの大規模な更新が必要です。
LTS版は2年に1回更新され、10年間のサポートを受けられるので、長期間使用できます。
前回のLTSリリースは20.04LTSなので、次の更新は22.04LTSです。
つまり、今回の21.10は通常版のリリースになります。(10月のリリースは全部通常版です)
テスト環境
VirtualBox上にインストールをしていこうと思います。
ダウンロード
こちらのUbuntuサイトから21.10をダウンロードします。
左のものはLTS版なので、最新版を使いたい場合は右側からダウンロードしましょう。
LiveDVDから起動する
通常のLinuxと同じように起動します。UbuntuはSysLinuxじゃなくてGrubで起動するんですね。
何か性能面で違いがあるんだろうか..EFIとかで挙動が変わってくるのかな。
とりあえず1番上を選択して起動します。これで起動できなかったりグラフィックに不具合があったら2番目を使って起動します。
一気にインストール画面に進みたい場合は3番目を選択します。
起動画面です。自分はUbuntu 18.04や16,04を使い慣れているのでこの起動画面は新鮮です。
確か20.04LTSあたりからLive起動時にディスク内のファイルの整合性チェックを行うようで、起動に時間がかかるようになっています。
インストール
左側で日本語を選択します。Ubuntu 16.04時代はこの言語部分が文字化けしまくったのですが、いつの間にか修正されていますね。やはり進化している。
今回は「Ubuntuを試す」をクリックしてデスクトップを起動してみます。
起動しました。デスクトップ背景の顔のインパクトがなかなかに強いです。
日本を選択したにも関わらず設定などの画面は英語でした。
中身のレビューはこれからしていくとして、さっそくインストールを行っていきます。
デスクトップのアイコンをクリックしてインストーラを起動します。
インストーラはUbuntu系でおなじみのUbiquityです。
いつもの画面ですね。「続ける」をクリックします。
いつものキーボードの画面です。そのまま「続ける」をクリックします。
今回は「通常インストール」を選択します。普段なら最小を選択するんですが、今回はレビューなので。
また、必ず下の「サードパーティ製ソフトウェアをインストールする」にチェックを入れましょう。
これを入れないとNVIDIAのGPUとか一部のNICで動かなくなります。
初心者の頃は緊張したこの画面です。デュアルブートならいろいろする必要があります。
今回はシングルブートなので、このまま全削除でインストールします。
そのまま「続ける」をクリック。
Linuxのインストール恒例ですが、なぜかLinuxのタイムゾーンではJapanではなくAsia/Tokyoとなっているので、全ての日本在住の人は東京を選ばなくてはなりません。どうして…
自分の名前とかパスワードを入力します。これが最終工程です。
いつのまにかActiveDirectoryがサポートされているようですね。
今回はスキップしますが、あとで詳細を確認したいと思います。
調べてみたところ、Ubuntu 21.04(21.10の1つ前のバージョン)で正式に追加された機能だそうです。なので、LTS版に追加されるのは22.04になりますね。
自動ログインは設定しないでおきます。
インストールが開始されるので気長に待ちます。
インストールが終わったら再起動します。
起動して初期設定をする
再起動後、DVDを取り外して起動するとログイン画面にたどり着きます。
ディスプレイマネージャはGnomeでおなじみのGDM3ですね。
ログイン後、オンラインアカウントの設定が表示されるのでそれぞれログインします。
今回は「スキップ」を選択しました。
好きな方を選択して「次へ」をクリックします。
これも好きな方を選択してクリックします。デフォルトのままでいいと思います。
これで初期設定は完了です。
Ubuntu 21.10の新機能
Ubuntu 21.10の新機能は以下のとおりです。
Gnome 40が採用された初めてのバージョン
17.10からUbuntuはこれまでのUnity Desktopを廃止してGnome Desktopに移行しました。
それ以来ずっとUbuntuはGnome 3.36、3.38と使ってきたのですが、40への更新はされていませんでした。
おそらく理由は拡張機能の互換性がなくなったので、その開発に時間がかかっていたのだと思います。
また、いくつかの使いにくい仕様変更がされており、それに対するパッチも追加されているようです。
(このマージリクエストで起動時にActivities画面が表示されないようになっています。)
混合テーマの廃止
以前、Ubuntuはデフォルトで「アプリのメイン画面はライトテーマ」「タイトルバーはダークテーマ」という混合テーマをサポートしていました。
しかし、これは新しくリリースされたGTK 4やGnome 40では利用できなくなっているようです。
Ubuntu開発チームも、これを独自で開発するのはあまりにも負担が大きすぎるとのことで、廃止が決定しました。
個人的にはこれでよかったんじゃないかなぁとも思いますが、選択肢が1つ減ったのは少し寂しいですね。
Live DVDとパッケージのデフォルト圧縮システムがZstdに変更
ついにUbuntuもデフォルトの圧縮システムがZstdに変更されました。
これによって今まで以上に高速になり、圧縮率が向上することになります。
Arch Linuxは昨年あたりにパッケージの圧縮をZstdにすることが発表されました。
Alter LinuxではArchisoにパッチを当てる形ですでにサポートしていた機能ですね。ついに本当にスタンダードになってきた。
最新のPipeWire
PipeWireはAlter Linuxでも採用している新しいオーディオシステムです。
Ubuntuリポジトリのバージョンが更新され、新しいものが利用できるようになったそうです。
将来的にはPulse Audioから移行する予定だそうですが、現在のバージョンではまだPulseAudio 15のようです。
FirefoxのパッケージがSnap経由に変更
SnapはLinux上で動作するディストリビューションに依存せず、依存関係を持たない新しいパッケージシステムです。日本語の利用に問題があったりと、まだ開発段階の印象が強いです。
Ubuntuは以前からChromiumパッケージをSnap経由のものに変更するなど、Snapを推し進めてきました。
今回のFirefoxのパッケージ変更もそれに合わせたものだと思います。
なお、Chromiumと違ってSnap経由ではないパッケージも利用可能とのことです。
Linuxカーネル 5.13
Ubuntu 21.10上で動作するLinux 5.13では、新しいメモリエラー検出がサポートされ、より少ない負荷でシステムが安定するようになりました。
レビューしてみる
インストール後はしっかりとシステム全体が日本語化されていました。
Live環境だと一部のアプリに適用されていませんでしたからね。
新しくなったダークテーマもいい感じです。個人的にはすごい好きです。
日本語入力ができない、と思ったのですが「カタカナ/ひらがな」キーを1度押すと使えるようになりました。すでにFcitx Mozcが導入されています。
やはりUbuntuはシステム全体がうまく統合されて調和しているので良いですね。
ディストリビューションとして非常に完成度が高いように感じます。
Arch Linux信者やGentoo信者でなければ何の問題もなく常用もできると思います。
というかやはり初心者向けに非常にわかりやすく開発されていますね。
最後に
Ubuntu 22.04LTSのリリースが楽しみです。
実は未だにハヤオのサブPCはUbuntu 16.04 LTSなので、次の22.04LTSが出たらもう一度入れ直そうかなと考えています。
それでは、また今度。
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